次々と新しいトレンドが生まれる美容の世界。

なかでも今、トレンドの一つとして挙げられるのが、韓国アイドルのような、あどけなさと洗練された雰囲気をあわせ持つ「バブみ顔」です。

「バブみ顔」といえば、ぷっくりした涙袋や丸みのあるを思い浮かべるかもしれません。でも、実はそれだけではないんです。あなたの「なりたい顔」を叶える鍵は、あごフェイスラインといった“下顔面”のバランスに隠されています。

今回は、「バブみ顔」を目指すための下顔面のポイントについて、品川スキンクリニックの方波見 有貴 先生に詳しくうかがいました。

〈中顔面のバブみ顔にフォーカスした記事はこちら

監修・取材協力:方波見 有貴 先生 品川スキンクリニック(品川美容外科グループ) 横浜院 院長

韓国アイドルのような「バブみ顔」とは?

「バブみ顔」とは、ふっくらとした頬や涙袋、丸みのある輪郭にキュッと上がった口角など、思わず「守ってあげたくなる」ような柔らかく幼さを感じさせる顔立ちのこと。※1 かわいらしさの新しい基準として注目されています。年齢や性別を問わず、誰もがポジティブな印象を抱きやすいのが特徴です。韓国アイドルのような愛らしさも相まって、“なりたい顔”としてあこがれる人も少なくありません。

方波見 先生によると、「人は子どもや赤ちゃんに対して本能的に親近感や安心感、『守ってあげたい』という気持ちを抱きやすく、バブみ顔が持つ幼く柔らかい印象が、こうした感情に訴えかける」と話します。

※1:監修医師の臨床経験に基づく

バブみ顔へ近づくためには下顔面も重要

バブみ顔の特徴というと、頬や涙袋などの中顔面にあるパーツに注目が集まりがちですが、実は唇やあご、フェイスラインといった“下顔面”のパーツも、全体の印象を大きく左右する重要な要素です。

下顔面とは人中を含む鼻の下からあご先までのエリア

下顔面の定義については諸説ありますが、本記事では、人中を含む鼻の下からあご先までのエリアとします。

コロナ禍で「マスク美人」という言葉が流行したことからもわかるように、下顔面は顔全体の印象を決める重要なパーツです。(1)

口元の印象が変わるだけで、相手が受ける印象は大きく変化します。

また、あごのラインも重要です。愛らしい印象を与えやすい、なめらかで丸みのあるラインが、バブみ顔のポイントとされています。

〈中顔面のバブみ顔にフォーカスした記事はこちら

医師に聞く、バブみ顔に近づく「下顔面」のポイント

バブみ顔にとって重要となる、下顔面の各パーツについて詳しく見ていきましょう。

バブみ顔を叶える下顔面のポイント

Cカールとキューピッドボウのある唇

人中と唇は、バブみにとって特に重要なパーツです。

バブみ顔の理想とされるのは、人中が間延びして見えず、唇に適切なボリュームがある、以下のような状態です。

横顔を見たときに、鼻先から上唇の先端にかけてゆるやかなカーブ(Cカール)ができていると、人中が短縮されて見えます。(1),(4) Cカールがあることは若々しさのサインといわれ、(4) バブみにもつながります。

唇のCカールはバブみ顔のポイントになる

※イメージ図
文献(1)を参考に作成

また、上唇の縁にある弓形の輪郭「キューピッドボウ」も、加齢によって失われやすいため、(4) バブみを演出する重要なポイントです。

さらに、唇自体の形状も横幅が広すぎず、縦にバランスよくボリュームがあることが大切。(1) 下顔面を小さく見せる効果があります。

唇にキューピッドボウがあるとバブみ顔のポイントになる

※イメージ図
文献(1)を参考に作成

血色感のある健康的な色味を保つことで、若々しさと愛らしさが引き立ち、バブみ顔の魅力が高まります。(1),(4)

なめらかで丸みのある輪郭

「バブみ顔」におけるあご・フェイスラインのポイントは、「バランス」と「柔らかさ」です。

まず、ポイントとなるのが横顔のバランス。これが整っていることは「美しい顔」の条件とされており、理想のバブみ顔に一層近づけるでしょう。

横顔のバランスは、「Eライン」で確認できます。(4) 鼻先とあご先を結んだ、このラインに唇がつかないことが重要。方波見 先生によると、「アジア人は、唇の位置がEラインよりも1~2mm程度内側にあるのが美しいとされています」。※2

アジア人の理想的なEラインと西洋人の理想的なEライン

※イメージ図
文献(1)を参考に作成

しかし、アジア人は一般的に欧米人よりもあごの先端(オトガイ)の突出が弱く、下顎骨が後退しているように見えます。(5) そのため、あごに適度なボリュームを持たせると、顔全体のバランスが整い、美しくなるというケースが多いです。

※2:監修医師の臨床経験に基づく

また、理想的なフェイスラインは、なめらかで丸みのある女性らしいラインです。(2) シャープに尖りすぎているあごは、バブみ顔の持つ幼く柔らかい雰囲気とは遠い印象を与えてしまいます。

口角の脇からあごにかけては、ほうれい線や加齢によるたるみが現れやすく、口元の印象を大きく左右します。年齢を感じさせず、すっきりと引き締まっているのがバブみにとって重要です。(2)

上中顔面よりも短い下顔面

最後に重要な要素が下顔面の比率です。かわいらしさを感じさせるバブみ顔の場合、顔の縦幅の比率が「1:1:0.8」、つまり下顔面が少し短いバランスになるのが理想的といわれています。※3

かわいらしさを感じさせるバブみ顔における縦幅の比率は「1:1:0.8」

※3:監修医師の臨床経験に基づく

トレンドの「バブみ顔」に近づくための選択肢

人中や唇、あごの形を変えるのは、メイクやセルフケアだけでは難しいもの。しかし、美容医療なら近づける可能性があります。

下顔面にアプローチできる美容医療の選択肢

バブみのある下顔面を目指すのによく用いられる治療法をご紹介します。

※国内承認薬または機器が存在しない治療を含む可能性がありますが、それらを推奨するものではありません
※併用治療の有効性・安全性、またどれくらい期間を空けるか等は検証されておりません

これらの施術は、下顔面のバランスを整えて引き締め、唇の色味も調整するため、若々しく愛らしい印象のバブみ顔へと近づくのに役立ちます。(2),(4),(6)

ただし、たくさんの選択肢があるため、求める効果や顔立ちに合わせて、自分に合った治療法を見つけることが重要です。

まずはカウンセリングの理想や悩みを相談してみましょう。

あなたらしい「バブみ」を引き出したいなら、まずは医師に相談を!

下顔面の美容医療というと、骨切りや脂肪吸引など外科的な処置を想像してしまうかもしれません。

しかし、近年は治療の選択肢が格段に増えています。ヒアルロン酸注入やボツリヌストキシン治療といった注入治療で顔の印象を大きく変えられるケースも少なくありません。(2),(4),(6)

たとえばヒアルロン酸注入治療は、細かくデザインを調整できるため、仕上がりを確認しながら理想の形に近づけることが可能です。また、治療法によって費用もさまざまなので、予算に合わせて検討することも可能です。

バブみ顔に限らず、美容医療を通じて、自分らしい魅力を引き出すことは、毎日をより楽しく、自信を持って過ごすことにつながるかもしれません。

「毎日鏡を見て、ここが嫌だなとモヤモヤしているのであれば、やるかどうかは後で決めてよいので、気軽に相談してみてください」と方波見 先生も話してくれました。

ご自身の理想のイメージと客観的な診断をすり合わせることで、自分に合った顔立ちが明確になることもあるでしょう。まずは一人で悩まず、医師に相談してみることから始めてみませんか。

〈中顔面のバブみ顔にフォーカスした記事はこちら

参考文献
(1) 古山 登隆: 美容皮膚医学 BEAUTY. 4(11): 6-18. 2021
(2) 古山 登隆: 解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法: メディカルレビュー社. 2020
(3) 今泉明子: 成功する顔 しない顔 人生を劇的に好転させる究極の美顔術: サンライズパブリッシング. 2022
(4) 大慈弥 裕之: 美容皮膚医学 BEAUTY. 4(11): 19-24. 2021
(5) Enlow, D. H., & Hans, M. G. "Essentials of Facial Growth". WB Saunders Company. 1996
(6) 市田 正成: 匠が教える美容外科注入術 ヒアルロン酸・ボトックス・脂肪注入によるアンチエイジング: 文光堂. 2018

監修・取材協力

川スキンクリニック(品川美容外科グループ) 横浜院 院長 方波見 有貴 先生

品川スキンクリニック(品川美容外科グループ) 横浜院 院長
方波見 有貴 先生

獨協医科大学医学部を卒業後、東京都健康長寿医療センター、東京逓信病院などでの勤務を経て、2019年より美容医療の分野へ。2024年からは品川スキンクリニック(品川美容外科グループ) 横浜院の院長を務めている。美容医療を通じて、患者一人ひとりがより自信を持って前向きに過ごせるよう、日々の診療に取り組んでいる。

品川スキンクリニック(品川美容外科グループ) 横浜院

住所:神奈川県横浜市西区北幸1-1-8 エキニア横浜6F

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