顔の美しさを引き出し、もっとキレイになるための選択肢の一つとして、ヒアルロン酸注入治療があります。とはいえ、ヒアルロン酸注入治療でどのようなことができるのか、具体的なイメージが沸かないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、インフルエンサーの田中 亜季 さんと一緒に、ヒアルロン酸注入治療で美しくなれる部位やヒアルロン酸製材を選ぶポイントなどについて、ルラ美容クリニックの武内 先生に解説していただきました。

監修・取材協力:

武内 大 先生(ルラ美容クリニック 渋谷本院 院長・統括院長)

田中 亜季 さん(インフルエンサー、インスタグラマー)

あなたは知ってる?ヒアルロン酸注入治療の魅力

そもそもヒアルロン酸注入治療の魅力は、世間にどの程度認知されているのでしょう。マイナビウーマンが実施したアンケート調査※1 によると興味深い結果が明らかになりました。

約3人に1人が治療を認知しているけれど、実はあまり魅力を知られていない!?

医療機関で受けることのできるヒアルロン酸注入治療について、「どのような治療か知っている」と答えた方はおよそ3人に1人。

ヒアルロン酸注入治療でアプローチできる具体的なお悩みについても尋ねた※1 ところ、年代問わず最も多くの方が選択したのが、「しわを目立たなくできる」でした。

ヒアルロン酸注入治療でアプローチできる悩みに関するアンケート※1結果のグラフ

ヒアルロン酸注入治療でアプローチできる悩みに関するアンケート※1 結果のグラフ
※本邦未承認適応(適応外)が含まれますが、それらを推奨するものではありません

ヒアルロン酸注入治療は、しわ対策以外にフェイスラインやあごの形を整えたり、乾燥肌を改善したりといったさまざまなお悩みにもアプローチできるのですが、そのことはあまり知られていないようです。

そこで武内 先生とインフルエンサーの田中 さんに、ヒアルロン酸注入治療で得られるメリットや上手な治療の受け方などについて、お話を伺いました。

しわ対策だけじゃない!ヒアルロン酸注入治療でもっとキレイに

女性の顔にヒアルロン酸を注入しようとしている様子

武内先生:ヒアルロン酸注入治療は、例えば、おでこ、あごなど顔のさまざまな部位にヒアルロン酸製材を注入することで、顔の印象を変化させられる治療法です。(1)

当院では、上唇にヒアルロン酸を注入して人中を短縮したように見せる「Cカールリップ」という施術が人気です。今よりもっとかわいくなるためにヒアルロン酸注入治療をするという方は増えている印象です。

田中さん:私も20歳くらいからヒアルロン酸注入治療を受け始めました。初めて受けたのが10年前くらいです。

ヒアルロン酸注入経験について話す田中さん

武内先生:10年前に受けられたとは、早いうちからヒアルロン酸注入治療をご存じだったんですね。

田中さん:あこがれの人の顔に近づきたいと考えて興味を持ち、インターネットで調べました。ヒアルロン酸注入治療で顔のパーツを調整できると知ってからは、「私もやりたい!」と思い、アルバイト代を貯めて施術を受けました。今はおでこ、唇、あごなどにヒアルロン酸注入治療を受けています。

武内先生:ヒアルロン酸を上手に使われていますね。おでこ、唇、あごは当院でもヒアルロン酸注入治療の人気が高い部位です。田中さんと同じように1カ所治療を受けたら、ほかの部位も施術を受けられる方が多いように見受けられます。
※監修医師の臨床経験に基づく

田中さん:たしかに、いろいろやってみたくなってしまいます。「ヒアルロン酸を注入するだけでこんなにいろんなことができるんだ」というのは驚きでした。

あなたの魅力を引き出す!ヒアルロン酸注入治療でキレイになれる部位

アンケート※1 では、受けてみたいと感じるヒアルロン酸注入治療についても質問しています。受けたい治療については、年代によって選ぶ内容に差がありました。

ヒアルロン酸注入治療を受けるとしたらどのような悩みについて治療を受けたいかに関するアンケート※1結果のグラフ

ヒアルロン酸注入治療を受けるとしたらどのような悩みについて治療を受けたいかに関するアンケート※1 結果のグラフ
※本邦未承認適応(適応外)が含まれますが、それらを推奨するものではありません

今よりもキレイになるために、ヒアルロン酸注入治療でアプローチできるお悩みにはさまざまなものがあります。具体的なアプローチ方法を武内 先生に解説していただきました。

おでこ

おでこは脂肪が減ると老けて見えやすい部位です。若い人でも骨格の影響などで眉の上にくぼみが生じていると、老けた印象を与えてしまうことがあります。(1)

丸みのある立体的なおでこにすることで美しい印象になり、横顔のシルエットをキレイに見せる効果も期待できます。(1)

頬が自然な丸みを帯びていることも、美しく見せるための重要なポイントになります。

とくに「オージーカーブ」とよばれる、額から頰にかけての曲線が重要です。頬にハリがあり、自然な丸みを描いていると、横顔も美しく見えて、美人度がアップするといわれています。(1)

オージーカーブがある顔

※イメージ
文献(1)を参考に作成

唇には、実は美しく見える「黄金比」があります。

日本人の場合、上唇と下唇の比率が1:1~1.2くらい、つまり上唇と下唇がほぼ同じ厚みか、下唇のほうが少しだけ厚いとバランスが良く、理想的といわれています。(3)

理想的な上唇と下唇の厚さ

※イメージ
文献(3)を参考に作成

あご

女性の場合は特に、あご先がほっそりしているほうが美しいとされています。あご先を整えることで、こめかみから頬、あごへと続くオージーカーブがなめらかになり、顔のバランスが整います。(1)

また、横から見たときの鼻先から顎にかけてのライン、「Eライン」も整うので、横顔の美しさも高まります。鼻先、唇、顎が1本のライン上にあることは、美しい顔の条件の一つといわれています。(1),(2)

Eライン(エステティックライン)

※イメージ
文献(2)を参考に作成

肌質

ヒアルロン酸は、部位の形を変化させるだけではありません。ヒアルロン酸注入治療では、肌の乾燥改善も見込めます。(4) うるおいに満ちたキメ細かな肌になることでも、顔の印象は変化します。

ヒアルロン酸注入治療によって肌質が改善した女性のイメージ

こめかみ

ほかには、こめかみも人気が高いです。こめかみにヒアルロン酸を注入して顔のバランスを整えることで、顔を小さく見せる効果が期待できます。(1)

このようにヒアルロン酸注入治療では、非常に多様なお悩みを改善することが可能です。

もっとキレイになるために!ヒアルロン酸製材の使い分けが重要

ヒアルロン酸注入治療によって、さまざまなお悩みが改善できるのには、ヒアルロン酸製材にいくつかの種類があり、部位ごとに適した使い分けができることも影響しています。詳しくお話をうかがいました。

ヒアルロン酸製材の使い分けが必要な理由

武内先生:「ヒアルロン酸」と一口にいっても、架橋(かきょう)とよばれるヒアルロン酸分子同士がくっついている数や、ヒアルロン酸の濃度などによって、硬さや粘り気などが違う製材が何種類もあります。(6) 施術の際には、アプローチしたいお悩みに対して最適な仕上がりになると思われるヒアルロン酸製材を選んでいます。

ヒアルロン酸製材の使い分けについて話す武内先生

武内先生:硬さや質感以外に持続期間も製材選びの大切なポイントです。

ヒアルロン酸はもともと私たちの体内に存在する物質なので、時間が経過すると徐々に吸収され、効果が薄れていきます。その吸収されるまでの期間が、ヒアルロン酸製材の種類によって異なります。(7) 1回の治療で長持ちさせたいのか、持続期間が短くてもいいのでとりあえず治療してみたいのかによっても選び方が変わります。

田中さん:ヒアルロン酸製材の種類によってそんなに違いがあるとは知りませんでした。

武内先生:そのほかにもヒアルロン酸製材を選ぶポイントはいくつもあります。基本的には医師にお任せする部分ですが、安心してヒアルロン酸注入治療を受けるため、患者さん側も知っておいて損はないと思いますよ。

ヒアルロン酸製材を選ぶポイント4つ

ヒアルロン酸製材の使い分けについて、武内 先生から教えていただいたポイントをまとめました。

ポイント(1):質感

あごやおでこなど、しっかりと皮膚や皮下組織を持ち上げる必要のある部位には、硬さのある製材のほうが向いています。一方で唇は、やわらかくなじみやすい製材がよいです。(7)

アプローチしたいお悩みによって適切な製材を使い分けられるよう、複数のヒアルロン酸製材を用意しているクリニックを選んだほうがよいでしょう。(6),(7)

ポイント(2):予算

予算とお悩みに応じて、ヒアルロン酸製材を適切に選んでくれるクリニックや医師に相談しましょう。
※監修医師の臨床経験に基づく

ポイント(3):持続期間

製材Aは12カ月、製材Bは18~24カ月といったように、製材の種類によってヒアルロン酸が体内に吸収されるまでの期間が異なります。(7) 頻繁にクリニックに通うのが難しい場合などは、あらかじめ医師に伝えておくと、持続期間が比較的長いヒアルロン酸製材を注入できる場合もあるでしょう。

ポイント(4):承認品と未承認品

承認品と未承認品

日本国内で使用されているヒアルロン酸製材には、薬事承認をされている承認品と、承認を受けていない未承認品があります。

保険診療の場合は、原則「承認品」しか使用が認められていません。しかし、美容医療のような自由診療では医師の責任のもと、「未承認品」を使うことも可能です。(8)

現在、国内の美容皮膚科学会などでは安全治療に対するガイドラインが作成され、薬剤や機器においては承認品の使用が推奨されています。(8),(9) 患者さんの立場になって考えるなら、承認品と未承認品、両方のヒアルロン酸製材から選べるほうがよいでしょう。

クリニックを選ぶ際には、使用している製材についても気にしてみるとよいかもしれません。

ヒアルロン酸注入治療にまつわる気になる疑問を解決

そのほか、ヒアルロン酸注入治療に関する気になる疑問にも武内 先生に答えていただきました。

ヒアルロン酸注入治療を価格で選ぶ際の注意点

クリニック選びで迷う女性

田中さん:治療を受けるときには、どうしても価格が安いところを検討しがちです。でも、高いほうが安心なのかなとも思い、いつも悩んでいます。クリニックの価格をチェックするときの注意点を教えてください。

武内先生:自由診療については、「高ければ安心、安ければ不安」だと一概に言えないところが難しいですよね。ただ、いくつかチェックしたときに、他院と著しく異なる価格を設定しているところは要注意かもしれません。

安いと思って契約したら、施術料金以外にもあれこれ請求されて、結局安くはならなかったという話を患者さんから聞いたことがあります。明朗会計かどうかも要注意ですね。

田中さん:私も以前、支払いのタイミングになって突然、それまで一言も言われていなかった料金を請求された経験があります。それ以来、自主的に気をつけるようにしています。

武内先生:多くのクリニックでは、支払うべき料金がしっかりと明示されています。まずはホームページなどで確認したうえで、カウンセリングであらためて確かめるのがよいと思います。予算と著しく異なる高い料金を提示された場合は、無理して施術を受けず、カウンセリングだけで帰ってよいでしょう。

ヒアルロン酸注入治療は痛い?

田中さん:私はこれまで受けたヒアルロン酸注入治療で、痛みが気になったことはあまりないのですが、SNSのフォロワーさんからは「痛そう」という声をもらうこともあります。

ヒアルロン酸注入治療の痛みについて話す田中さん

武内先生:痛みについては、私も患者さんからよく質問されます。アンケート※1 でも、痛みを心配してヒアルロン酸注入治療をためらっているという声がありましたね。

ヒアルロン酸注入治療を受けたことがない、または受けたくない理由に関するアンケート※1結果のグラフ

ヒアルロン酸注入治療を受けたことがない、または受けたくない理由に関するアンケート※1 結果のグラフ

田中さん:たしかに唇は少し痛かったですが、それ以外の部位は、とくに痛みが気になることはありませんでした。

武内先生:心配な場合は麻酔で痛みを減らすことができるので、遠慮なくいってください。(1) クリーム麻酔や笑気麻酔のほか、神経ブロック麻酔を使うこともできます。皆さんは「想像よりも痛くなかった」とおっしゃいますが、無理して痛みを我慢する必要はありません。痛い場合は我慢せずに伝えてほしいです。

仕上がりが気に入らなかった場合は?

田中さん:私は以前、ヒアルロン酸注入治療をしてもらったものの、仕上がりが納得できなくて、薬剤で溶かしてもらったことがあります。※ 気に入らなかった場合、そのようなお願いをしてもよいものなのでしょうか。
※国内承認薬または機器が存在しない治療を含む可能性がありますが、それらを推奨するものではありません

武内先生:やり直しができるというのは、ヒアルロン酸注入治療のメリットのひとつといえます。(1),(10) しっかりカウンセリングを受けても、思い描いていたのとは違う仕上がりになってしまった場合は、医師に伝えることが大事です。もしも私が患者さんから相談されたら、きちんとやり直しをすると思います。

田中さん:ありがとうございます。とても参考になりました。ヒアルロン酸注入治療は、きちんと話し合えるクリニックを選ぶことが大切だなと、今回あらためて実感しました。

武内先生:ヒアルロン酸注入治療は、主に顔に関するさまざまなお悩みを改善できる可能性を秘めています。しっかりと、そしてじっくりと吟味して、納得のいく治療を受けてください。

キレイを追求したいなら医師に相談を

医師に理想のイメージを伝える女性

ヒアルロン酸注入治療は、加齢などによるしわを目立たなくさせるだけでなく、顔の印象を変えたり、肌質を改善したりすることも可能な治療法です。(1) 上手に活用すれば、長年のコンプレックスの解消にもつながるかもしれません。

ホームページなどを見て、自分のお悩みと似たような症例写真を載せているクリニックでカウンセリングを受け、キレイの追求への一歩を踏み出してみませんか。

参考文献
(1) 古山 登隆:解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法:メディカルレビュー社.2020
(2) 古山 登隆:美容皮膚医学 BEAUTY.2021.4(11):6-18
(3) 加藤 聖子:美容皮膚医学 BEAUTY.2021.4(11):50-57
(4) 今泉 明子:美容皮膚医学 BEAUTY.2024.7(6):71-75
(5) 渡邉 萌 他:北海道心理学研究.2023.46:1-14
(6) 岩城 佳津美:美容皮膚医学 BEAUTY.2020.3(1):14-21
(7) 望月 香奈:美容皮膚医学 BEAUTY.2020.3(1):35-44
(8) 厚生労働省「医療機器の薬事承認等について」
(9) 日本美容外科学会「美容医療診療指針(令和 3 年度改訂版)
(10) 大慈弥 裕之:ヒアルロン酸注入治療安全マニュアル. 克誠堂出版.2018

※1:アンケートの調査概要
調査目的:ヒアルロン酸注入治療に関する調査
調査対象:美容医療に興味がある、全国の20~34歳の女性 有効回答数303名
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年11月22日
利益相反:マイナビウーマンが調査企画および調査票を作成し、オンラインパネル登録者に調査、回収
アラガン・エステティクスはマイナビウーマンに許諾を取り、データを活用

監修・取材協力

ルラ美容クリニック 渋谷本院 院長・統括院長 武内 大 先生

ルラ美容クリニック 渋谷本院 院長・統括院長
武内 大 先生

2012年、宮崎大学医学部医学科卒業。焼津市立総合病院、東京大学医学部附属病院 形成外科、埼玉医大総合医療センター 形成外科 助教を経て、美容外科の道へ。国内最大手クラスの品川美容外科で、3つの院で院長を歴任したのち、2019年にルラ美容クリニック高田馬場院を開院。2021年より現職。全国35院を展開している(2025年12月現在)。ヒアルロン酸注入と糸リフトに関しては海外にも招待され、賞を受けている。日本美容外科専門医。

ルラ美容クリニック 渋谷本院

住所:東京都渋谷区道玄坂1丁目12-1 渋谷マークシティウェスト16階

インフルエンサー、インスタグラマー 田中 亜季 さん

インフルエンサー、インスタグラマー
田中 亜季 さん

主に20代、30代向けの美容やファッション情報を発信するインフルエンサー。保育士からインスタグラマーに転身し、3つのアカウントを運営する。インスタグラムのフォロワーは計7万人以上(2025年12月時点)。香水のプロデュースも務める。猫との暮らしをつづったインスタグラムも好評。

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