――ヒアルロン酸注入治療で、不自然な顔になってしまうということはないのでしょうか?
ヒアルロン酸の注入というと、頬がパンパンに張った不自然な顔を想像する人がいらっしゃいます。しかし、それは古い注入技術のせいで、最新の技術では頬にヒアルロン酸をたくさん注入するようなことはせず、ポニーテールで引き上げたような輪郭を作ることを目的に、お顔の外側に主に注入していきます。
お顔の状態に応じて、頬骨の下、耳の前、こめかみなど、正面から見えない部分に細かく注入して、顔の輪郭や立体感を整えていきます。自然なのに確かにキレイになっている…、そんな仕上がりです。あごに注入する際も、お顔のバランスをみながら細かな調整を行うことで、自然な仕上がりの美しい横顔を手にいれることができます。
――インターネット上には様々な情報があります。例えば、表情筋トレーニングで、あごのたるみを取って横顔を美しくすることは可能なのでしょうか?
あごのたるみを防ぐために、表情筋トレーニングは多少の効果はあるかもしれませんが、本来必要でない無駄な表情筋の動きはシワを作る可能性があり、おすすめできません。
そもそも表情筋は、基本的に動かさない方がしわはできないとされています。過剰な筋肉の動きは同時に表面のしわも作っているということです。むやみに表情筋を動かさず、しわが寄らないようなトレーニングを行なうのであれば、顔の筋肉を鍛えること自体は良いかと思いますが、なかなか難しいのではないでしょうか。
――鼻をマッサージすることで、鼻を高くし横顔を整えるという方法はいかがでしょうか?
骨の成長が止まった大人世代では、鼻のマッサージをしても鼻が高くなることはありません。軟骨に刺激を与えても、形を変えることは難しいかと思います。鼻マッサージに医学的根拠はありません。
――Eラインを整えるために、日常生活で何かできることはありますか?
生まれながらのEラインを美容医療以外の方法で変えることは難しいですが、日常生活での努力で、加齢やくせによる変化を穏やかにすることは望めるかもしれません。
たとえば、口呼吸はEラインの崩れにつながります。口呼吸はいつもあごが下がった状態になるため、筋肉も骨も衰えてきます。幼い頃から口呼吸をするくせがあるのであれば、早いうちに治してあげるべきです。また食事をよく噛んであごを動かすことは、骨粗しょう症の予防にもなります。刺激が少なくなると骨粗しょう症になりやすくなるので、健康のためによく噛んで食事することは大切です。