顔の印象は、各パーツのトータルバランスで決まります。そのため目や鼻だけでなく口元や唇も、顔の印象を大きく左右する重要なパーツです。

ここでは最新の唇のトレンドや年齢による変化に触れながら、美しい唇になるためのケアとそのポイントを紹介します。

監修・取材協力:堀内 祐紀 先生 (秋葉原スキンクリニック 院長)

目元だけで満足していない?キレイに差をつけるなら口元

意外な盲点。今ケアすべきは唇だった⁉

唇や口元の悩みを抱える女性

コロナ禍の時期は口紅の売り上げが約5割半減する(1) など、リップメイクやリップケアへの関心が薄れたこともありましたが、徐々に回復の傾向を見せ、今は再び唇に注目が集まりつつあるようです。

実際に美容皮膚科・外科などには、唇や口元に関する悩みの相談が、年齢を問わず増えているのだそう。

キレイを引きだすなら、自分の唇を知ることから

あなたの唇はどの形?六つのタイプ

同じように見えて、実は個々に違う唇の形は、いくつかに分類できます。代表的な六つのタイプを紹介しましょう。

※イメージ
文献(2)を参考に作成

 

  • Classic(クラシック)
    唇の基本の形で、加齢などによってぼんやりした唇の境目をくっきりと強調するスタイル。老けて見られがちな唇のまわりのしわなどを目立たなくして、エネルギッシュに見せます。
  • Pearlique(パーリーク)
    下唇を強調するリップスタイル。若々しくボリュームのある口元を演出します。
  • Rubina(ルビーナ)
    いわゆる、「ぷっくりとした」唇がこのタイプに当てはまります。鼻下からあごまでの長さや面積が十分ある方は、魅力的な印象となります。
  • Hollywood(ハリウッド)
    ハリウッド映画の俳優によく見られる、上唇を美しく描いたスタイル。上唇の中央に厚みがあり、側方にいくほど細くなるのがポイントです。
  • Cupid(キューピッド)
    神話に登場する恋愛の神「キューピッド」が持つ弓矢のような形状の唇。ナチュラルですがボリュームがあり、思春期前の女性に多いスタイルです。
  • Angelic(エンジェリック)
    上唇にボリュームがあるのが印象的な唇です。唇の横幅があまり大きくなく、上唇がふっくらしている人に適したスタイルです。

 

トレンドを追いすぎず、自分に合ったスタイルを長い目で考えることがポイント

唇はボリュームが大きいほど、セクシーに見えて印象深くなるパーツ。そのため、ついボリュームを強調しがちですが、実は唇が美しく見える「黄金比」なるものが存在します。

鼻の付け根から上唇のことをさす人中(じんちゅう)~上唇までと下唇~あごの骨の上までの長さが1:1。(2) なおかつ上唇と下唇の厚みが1:2。(3) これが唇の黄金比といわれています。

しかし、これは日本人を含むアジア人には当てはまらないことが少なくありません。アジア人の場合は欧米人に比べて唇が薄めのことが多く、上下の唇の厚みが約半々、1:1のほうが美しい場合もあります。(2),(4)

最近では「ロシアンリップ」とよばれる、ボリュームもシェイプも強調した、人形のようなグラマラスなリップスタイルが世界のトレンドになっています。※1 しかし、日本人がこのロシアンリップを取り入れて、うまくいくかというと、それは個人差が大きいかもしれません。

※1 監修医師の臨床経験に基づく

唇単独のパーツでトレンドを追ったり、スタイルを考えたりすると、口元だけが悪目立ちしてしまう可能性もあります。唇を美しくしたいときは、顔全体のバランスに応じて、どのスタイルが似合うのか考えることが大切です。

また、似合う唇の形は好みの服装や年齢などによっても変化します。若いときはボリュームたっぷりのぷるぷるの唇が似合っていても、年齢を重ねて口元が痩せてきたときに同じ形が似合うとは限らないもの。唇のスタイルチェンジをする場合は、そうしたことも踏まえて、長い目で考えるのがよいでしょう。

いつまでも美しい口元に。知っておきたい予防とケア

残念な口元は卒業!老けて見える三大要因

医師と美しい唇を持つ女性のイメージ

唇が老けて見えてしまう要因は、大きく以下の三つに分けられます。

  • 口元や唇のしわ
    口のまわりにできる放射状のしわがあったり、唇の縦じわが目立ったりするのは、老けて見える大きな要因です。口元のしわは、加齢にともない、骨が吸収されたり、口のまわりの皮下脂肪が減少したり、口輪筋という筋肉が変化することによって生じるとされています。(5)
    また、唇の縦じわは長期間にわたって紫外線にさらされたり、乾燥したりすることによっても、生じやすくなるといわれます。(6)
  • 唇の形の変化
    年齢を重ねるにつれ、私たちの唇は少しずつ変形していきます。若いときにはふっくらしていた唇も、年を重ねると横に広がり、薄くなってしまいます。(5) とくに下唇のボリュームが失われやすく、見た目に影響を与えます。(7) また、加齢などで色素が減少し、リップラインとそのまわりの皮膚との境目があいまいになるのも老けた印象になりがちです。(5)
  • 口角の下がり具合
    大人は子どもよりも笑う回数が大幅に少ないといわれています。※2 笑う機会が減ると、口角を上に引っ張る筋肉が弱まって、相対的に下に引っ張る筋肉が強く働くため、口角が下がりやすくなり、老けた印象を与えます。(8)
    ※2 監修医師の臨床経験に基づく

最近では若い人でもこうした悩みを持つことがあります。唇は目元のように「メイクで盛る」ことが難しいパーツのため、ケアがとても重要になってきます。

笑顔に自信が持てる?!三つのケアポイント

いつまでも美しい口元をキープするためには、どんなケアが必要なのでしょうか?ここでは、三つのケアを紹介します。

  • 保湿ケア
    唇は皮膚が非常に薄く、とてもよく動くため、乾燥しやすいという特徴があります。(9) まずはリップクリームなどでしっかりと保湿をしましょう。そのほか、入浴中に蒸しタオルやラップフィルムなどを使ってホットパックをするのもよいかもしれません。
  • 口角ケア
    口角が下がるのは、笑う機会の減少などによって、口角を上に引っ張る筋肉が弱まることが原因とされています。表情筋を鍛える「顔ヨガ」や舌を鍛える体操などのようなセルフケアを適切な方法で継続的に行うことで、一定の効果は期待できるかもしれません。しかし、繰り返し表情筋を動かすことで、表情じわができやすくなる可能性もあるので、取り組みには注意が必要です。(10)

    また、美容医療を活用することも一つの手です。口角が下がっていることにお悩みの方は、医師に相談してみると、自分に合った治療法を提案してくれるでしょう。※3,4
    ※3 国内承認薬または機器が存在しない治療を含む可能性がありますが、それらを推奨するものではありません
    ※4 監修医師の臨床経験に基づく
  • ボリュームケア
    加齢により不足した唇のボリュームを補填するためには、美容医療を取り入れることで改善が見込めます。施術の候補としては、ヒアルロン酸を唇に注入する「ヒアルロン酸注入治療」という方法があります。

セルフケアを行いながら美容医療の力を借りることができれば、自分の理想の唇へ近づけることができるでしょう。

今こそ唇ケアで、美しさに磨きをかけて

毎日のケアにプラス。医療の力を取り入れるのも◎

唇は言葉を伝えたり、笑顔などで感情を表したりする大切なパーツです。

大切なパーツを美しくキープしたり、理想の形に近づけたりするためにはセルフケアに加えて、美容医療を選択肢の一つとして取り入れるのもよいでしょう。

唇、口元をケアしたいと思ったら。まずは医師へ相談を

自分の唇や口元に悩みを感じたら、まずは医師に相談してみるのもよいでしょう。いくつかのクリニックにカウンセリングに行き、信頼できる、自分に合った医師を探して、相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献
(1) BCN+R「口紅は約5割減、今年販売苦戦したランキング インテージ調べ 」(参照 2026-02-18)
(2) 古山 登隆:美容皮膚医学BEAUTY.2021; 4(11);6-18.
(3) 古山 登隆:解剖から学ぶ ヒアルロン酸注入療法.メディカルレビュー社.2020 (4) 加藤 聖子:美容皮膚医学BEAUTY.2021; 4(11);50-57.
(5) 大慈弥 祐之:美容皮膚医学BEAUTY.2021; 4(11);19-24.
(6) 永瀬 憲一,安藤 靖子 他:日本化粧品技術者会誌.1991; 25(1);21-26.
(7) Riccardo Rosati 1, Marina Codari: Aesthetic Plast Surg 2014 ; 38(1);236-241.
(8) アルディス・ザリンス:スカルプターのための美術解剖学2 表情編:株式会社ボーンデジタル.2017
(9) 大慈弥 裕之,古山 登隆 他:目もとの上手なエイジング―眼瞼下垂から非手術的美容医療,エイジング世代のメイクアップまで―.2021
(10) 佐藤 英明:Bella Pelle 2017; 2(2)20-23,

JP-AGNA-220230

監修・取材協力

秋葉原スキンクリニック 院長 堀内 祐紀 先生

秋葉原スキンクリニック 院長
堀内 祐紀 先生

東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学皮膚科学教室入局後、都内皮膚科・美容クリニック勤務を経て、2007年秋葉原スキンクリニック開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本脱毛医学会理事。日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本レーザー医学会・日本抗加齢医学会・日本香粧品学会 所属。Allergan Medical Institute Japan Faculty。一般社団法美容皮膚エキスパート協会代表理事、Aesthetic Medical Academy理事。保険治療だけでなく美容治療を各種取り揃え、さらに肌を良くしたい!という気持ちを叶えるために、エビデンスのしっかりとした治療を、自信を持って届ける。

秋葉原スキンクリニック

住所:東京都千代田区外神田4丁目6−7 カンダエイトビル 2階/3階

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