朝のメイクや夜のスキンケアがもっと短くなったらいいのに…と思っていませんか?

仕事や日々の暮らしに追われる毎日、自分のための美容時間を確保するのは至難の業(わざ)。

年齢とともに目立ってくるしわたるみなどの肌悩みが気になるものの、日々のケアに手間をかけられないという方は多いでしょう。

今回は、女性の美しさを引きだすカウンセリングと肌治療のご見識が深い品川スキンクリニックの蜂須賀 由布子 先生と、二児のママでありフリーアナウンサーとして活躍する徳山 沙季 さんの対談を通じて、美容医療で目指せる「時短美容」について紹介します。

監修・取材協力:
蜂須賀 由布子 先生(品川スキンクリニック 表参道院 主任部長)
徳山 沙季 さん(フリーアナウンサー、インフルエンサー )

年代で変わるメイクとスキンケアの悩み

忙しさでメイクする時間の余裕がない様子を表すイラスト

日々のスキンケアやメイクに関する悩みを、徳山さんにうかがいました。

徳山さん:一番気になるのは乾燥です。若いころはどちらかというと脂浮きが気になるほうだったのですが、35歳のときに二人目の子を出産してから、肌が大きく変わったと感じています。

スキンケアやメイクの悩みについて話す徳山さん

フリーアナウンサー、インフルエンサー 徳山 沙季 さん

徳山さん:ファンデーションも、若いころは薄付きのパウダータイプでよかったのに、今はリキッドやクリームのようにカバー力がしっかりあるタイプでないと不安です。スキンケアも化粧水と乳液だけでは物足りなくなり、美容液やクリームが手放せません。

蜂須賀先生:徳山さんのように、年齢やライフステージの変化によってメイクやスキンケアにかかる時間が増えたと感じる方は非常に多いです。クリニックに来られる40代以降の患者さんからも、「シミを隠すのに時間がかかる」「肌のコンディションが変わったのか、どんな化粧品が合うのかわからなくなった」といった悩みをよくうかがいます。

年代で変わるスキンケアとメイクの悩みについて解説する蜂須賀 先生

品川スキンクリニック 表参道院・主任部長 蜂須賀 由布子 先生

アンケートで見えた!忙しい大人女子のリアルな美容事情

30代~50代の女性301名を対象に行われたアンケート※1 を見ても、約8割弱の方が普段のメイクやスキンケアの時間を「時短したい」と回答。多くの女性が、美容にかける時間を少しでも減らしたいと考えていることがわかります。

※1:時短美容に関するインターネットリサーチ(詳細は記事末尾で紹介)

また、年齢を重ねたことによる「メイク時間」と「スキンケア時間」の変化はメイクは全体の約3割、スキンケアは約4割以上の方が増えたと感じている結果に。メイクよりもスキンケアの時間が増えていると感じる女性が多いようです。

メイクとスキンケアの所要時間の変化を示す円グラフ

さらに詳しく見ていくと、メイクに時間がかかるようになった理由は、30代では1位が「毛穴を隠す」、2位が「シミを隠す」。40代以降は「シミを隠す」が逆転してトップという結果に。

さらに、スキンケアの時間が増えた理由は、全年代で乾燥に悩む人は多いものの、年代別で見ると30代では「毛穴対策」に時間がかかる人が多く、40代になると「シミ対策」が「毛穴対策」を逆転。メイクと同様にスキンケアの悩みも年代によって変化していくようです。

30代と40代のメイクとスキンケアに時間がかかる理由を比較した表

メイクやスキンケアに時間がかかる理由は?医師が解説!

年齢とともに肌悩みが増え、メイクやスキンケアに時間がかかるようになるのは、なぜなのでしょうか。その理由を、蜂須賀 先生に教えていただきました。

蜂須賀先生:年齢による顔の変化は、実は皮膚の表面だけで起きているわけではありません。(1) 肌の土台となっている骨の萎縮、表情をつくる筋肉の衰え、そして皮下脂肪の減少や移動といった、顔の内部の構造的な変化がいくつも重なって、しわやたるみとして現れるのです。(1),(2)

【加齢による顔内部の構造的変化の解説】

加齢による顔の構造変化を示すイラスト

※イメージ
文献(1)を参考に作成

●骨の萎縮
年齢を重ねると、骨密度が減少し、骨が小さくなります。「土台」の役割である骨が縮むと、上にある筋肉や皮下脂肪、皮膚が垂れ下がり、顔全体がたるんで見えることも。(1)

●表情筋の衰え
表情筋が衰えると、その上にある皮下脂肪や皮膚(真皮・表皮)を支えられず、顔がたるんだり、頬がコケて見えたりします。(1)

●脂肪の減少・移動
年齢を重ねると、皮下脂肪が減少したり、骨・筋肉の衰えによって移動(下垂)したりしてきます。その結果、顔のラインが平坦になり、老けて見えてしまうのです。(1),(2)

●支持靭帯(リガメント)とSMAS(スマス)の衰え
顔の皮膚や表情筋と骨をつなぎ、支える「支持靭帯(リガメント)」と皮下脂肪と筋肉の間に存在する筋膜「SMAS(スマス)」が衰えると、皮下脂肪がずり落ち、たるみにつながります。(1),(3)

●肌のハリや弾力性の低下
真皮層のコラーゲンやエラスチンは加齢や「光老化」とよばれる肌の衰えをもたらす紫外線の影響などを受けて減少します。その結果、肌のハリが低下し、しわが刻まれやすくなります。(4),(5)

蜂須賀先生:また、肌質そのものも変化します。加齢によって肌の水分保持能力が落ち、皮脂の分泌量も減少します。(4),(6) すると、肌の水分が蒸発しやすくなり、若いころは脂性肌だった方も乾燥肌に傾きやすくなるのです。

徳山さん:肌の乾燥が気になってきたのは、気のせいではなかったのですね。

蜂須賀先生:そうなんです。しかも、これらの変化はセルフケアで根本的に解決することが難しいんです。だからこそ年齢とともに悩みが深刻化しやすいといえます。

時短美容を叶える「美容医療」という選択肢

日々のメイクやスキンケアは、こうした肌悩みを「隠す」ためのものになりがちです。そこで、選択肢の一つとして提案したいのが、美容医療です。

美容医療による時短美容について話す徳山さんと蜂須賀 先生

蜂須賀先生:美容医療は、悩みの根本原因にアプローチすることで、肌の状態そのものを改善し、結果としてケアの時短につながる効果が期待できます。(1),(4),(7)

徳山さん:美容医療に時短というメリットがあるとは気が付きませんでした。

蜂須賀先生:普段、そのように紹介することはあまりないので、ご存じないかもしれません。アンケート※1 でも、多くの女性が「美容医療が時短に役立つことを知らなかった」と回答しています。

しかし、レーザー治療によりシミにアプローチできるとコンシーラーが不要になったり、肌質改善治療によってファンデーションのノリがよくなったりと、美容医療には日々の手間を減らし、ケアをシンプルにする大きな可能性があるといえます。

※国内承認薬または機器が存在しない治療を含む可能性がありますが、それらを推奨するものではありません
※監修医師の臨床経験に基づく

美容医療による時短をイメージする女性と時計のイラスト

徳山さん:私は産後のシミにレーザー治療を受けたのですが、コンシーラーで隠す手間がなくなっただけで、朝のメイクが本当に楽になりました!

蜂須賀先生:ご自身の肌の状態や悩み、どうなりたいかの希望を相談して、自分に合った治療法をアドバイスしてもらうことをおすすめします。

クリニック受診のポイントをチェック!

複数のクリニックを比較検討して選ぶ様子のイラスト

徳山さん:美容医療に興味がでてきたのですが、たくさんのクリニックのなかから自分に合ったクリニックをどう選べばいいのかわかりません。選び方のポイントはありますか?

蜂須賀先生:徳山さんは以前シミ取りの治療を受けられたそうですが、そのときはどうやってクリニックを選ばれたのですか?

徳山さん:当時は、施術を受けた人のクチコミや症例写真をかなり参考にしました。そのうえで、自宅から通いやすいかどうかも重視して選びました。でも、痛みや治療法選びには不安がありましたね。

蜂須賀先生:徳山さんのように、痛みや治療法について不安を感じる方は多いですから、カウンセリングで親身に相談に乗ってくれる医師を見つけることが何よりも大切です。たとえば、以下のようなポイントを参考にするとよいですよ。※2

※2:監修医師の臨床経験に基づく

医師が患者にカウンセリングを行い、患者が安心する様子のイラスト

【ポイント①】複数の治療法を提案してくれるか
たとえば「ヒアルロン酸を打ちたい」というご希望に対して、患者さんの要望のままに治療するのではなく、肌の状態をきちんと診断したうえで、「あなたの悩みなら、こちらの治療も効果的ですよ」と、別の選択肢も示してくれるような医師だと安心感が得られます。

【ポイント②】メリットだけでなく、リスクやダウンタイムも説明してくれるか
専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で、治療のメリットだけでなくダウンタイムやリスクについてもしっかり説明してくれるクリニックは信頼できる可能性が高いです。患者さんが安心して治療を受けられるように努めている証拠といえます。

※施術後から回復までの期間のことで、施術前の生活をとり戻せるまでの期間

【ポイント③】症例写真の撮影条件が同じか

症例写真における撮影条件のNG例を示す比較イラスト

症例写真を見るときは、施術の前後で写真の角度や照明などが同じ条件で撮影されているかをチェックすると、加工に惑わされず、医師の技術力や治療の効果を見極めやすくなります。

【ポイント④】美的感覚が自分と合うか
症例写真を見て、その仕上がりが「キレイだな」と感じるか、ご自身の美的感覚と合うかどうかも大切なポイントです。

徳山さん:ありがとうございます。参考にしてみます!

自分らしく輝くためにまずは医師に相談を!

複数の医師と、美容医療について考える女性のイラスト

蜂須賀先生:美容医療は特別なものではなく、忙しい女性のライフスタイルをサポートする一つの選択肢といえます。美容院に行くようなものと考えてよいかもしれません。

肌に自信が持てるようになると、時短美容につながるだけでなく、気持ちも前向きになります。まずはカウンセリングに訪れて、専門家のアドバイスを聞いてみてください。

徳山さん:今日、先生のお話をうかがって 、ハードルが高いと感じていた美容医療が身近に感じられました。まずは専門の医師に相談してみることから始めるのが、キレイへの近道なのかもしれませんね。

日々の美しさをサポートする「時短美容」。それを実現する選択肢の一つとして、美容医療を受けることを考えてみませんか。

参考文献
(1) 古山 登隆: 解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法: メディカルレビュー社. 2020
(2) 日本学術会議 健康・生活科学委員会 健康・スポーツ科学分科会「現代社会における諸問題の解決に貢献する健康・スポーツ科学の新展開-120歳まで元気に生き抜くための身心一体科学の提唱」資料4-2. 2011
(3) 白壁 征夫: BellaPelle. 2(4): 14-17. 2017
(4) 安田 利顕, 漆畑 修: 改定10版 美容のヒフ科学: 南山堂. 2021
(5) 厚生労働省「eヘルスネット」活性酸素と酸化ストレス
(6) 病気がみえる vol.14 皮膚科: メディックメディア. 2021
(7) 川田 暁: 美容皮膚科ガイドブック第2版: 中外医学社. 2019
(8) 伊藤 史子: 美容皮膚医学BEAUTY. 6(3): 74-82. 2023
(9) 古山 登隆: PEPARS No.170: 1-10. 2021
(10) 佐藤英明: BellaPelle. 2(2): 20-23. 2017
(11) 西田 美穂, 西田 真: 美容皮膚医学BEAUTY. 6(2): 59-68. 2023
(12) 木村 有太子: 美容皮膚医学BEAUTY. 7(6): 25-30. 2024
(13) 原 かや: 美容皮膚医学BEAUTY. 7(6): 51-63. 2024
(14) 櫻井 直樹: 正しい知識がわかる 美肌辞典. 高橋書店. 2021
(15) 谷 祐子: 美容皮膚医学BEAUTY. 7(6): 2-3. 2024

アンケートの調査概要
調査目的:時短美容に関する調査
調査対象:メイクやスキンケアを日頃行っている全国の30代~50代の女性 有効回答数301名
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年9月5日
利益相反:マイナビウーマンが調査企画および調査票を作成し、オンラインパネル登録者に調査、回収。アラガン・エステティクスは、マイナビウーマンに許諾をとり、データを活用。

監修・取材協力

品川スキンクリニック 表参道院 主任部長 蜂須賀 由布子 先生

品川スキンクリニック 表参道院 主任部長
蜂須賀 由布子 先生

2018年、愛知医科大学医学部医学科卒業。東京女子医大病院、東京医大病院での勤務を経験した後、2021年、品川美容外科に入職。品川スキンクリニック 立川院 主任、同院 部長などを経て、2025年より現職。「いつまでも綺麗でいたい」という気持ちを応援し、一人ひとりに合った最適な治療を提案する。

品川スキンクリニック 表参道院

東京都港区北青山3-11-7 Aoビル10F

フリーアナウンサー、インフルエンサー 徳山 沙季 さん

フリーアナウンサー、インフルエンサー
徳山 沙季 さん

地方局アナウンサー、リポーター、証券会社経済番組キャスターを経て、現在はフリーアナウンサーとして活動。局アナ時代には、スポーツや報道、情報番組などを担当。
ファッションやコスメが好きで、インスタグラムでは日々のコーデやお気に入りのコスメなどを発信。美容誌やファッション誌で読者モデルとしても活躍する。

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