ダイエットを成功させるためには、正しい知識を身につけ、自分に合った方法を実践することが大切です。

巷には「すぐに効果が出るダイエット」としてさまざまな情報があふれていますが、残念ながらダイエットの基本は食事と運動の継続です。

本記事では、ダイエットを成功に導くための基本的な知識、有効な食事や運動の方法について、品川美容外科 名古屋院 院長の河内 泰仁 先生に伺いました。

監修・取材協力:河内 泰仁 先生(品川美容外科 名古屋院 院長)

目次

ダイエットの誤った知識に要注意

ダイエットの知識や情報を調べると、数多くの手法が紹介されていますが、なかには間違ったものや、正しいとはいえない情報もあります。正しいダイエットを行うためにも、ダイエットの知識について知っていきましょう。

体重を落とせば見た目がすっきりする

ダイエットというと、とにかく体重を減らせば見た目もすっきりして理想の体型になれるといわれることがありますが、体重だけでなく、筋肉と脂肪のバランスにも目を向けることが大切です。

筋肉と脂肪では同じ1kgの重さであっても、筋肉のほうが体積が小さいといわれます。そのため、体重が同じ人がいた場合、筋肉の割合が多い人のほうが引き締まった身体に見えるでしょう。

また、運動などによって消費カロリーが増えると、脂肪細胞のサイズが小さくなり、(1)基礎代謝も向上するため、結果的に健康的で太りにくいすっきりとした見た目に近づけるでしょう。

お腹や二の腕、太ももなどの部分痩せはできる?

食事制限や運動などのセルフケアだけで気になる部分痩せ を実現するのは不可能といってよいでしょう。

食事や運動により脂肪細胞の大きさは変化しますが、変化は全身に生じるため、特定の部位の脂肪細胞だけを小さくすることはできないといわれています。(2)

部分痩せをしたい場合は、クリニックでの痩身治療が有効な方法のひとつになるでしょう。例えば、脂肪冷却治療では、お腹などの気になる部位に機器を当てることにより脂肪細胞を減らし、サイズダウンを目指せます。

ファスティングで体重が減らせる

ダイエットの手段として、半日~1日程度の断食(ファスティング)を行う方法が紹介されることがありますが、メリットとデメリットを理解する必要があります。

ファスティングを行うとその間、内臓が休まり、代謝酵素という酵素が活性化され、基礎代謝が上がったり脂肪を燃焼しやすくなったりするというのが、ファスティングの理論です。(3)

しかし、空腹時には脂肪だけでなく筋肉もエネルギー源として利用されるため、筋肉が減って代謝や体力の低下を招くことが考えられます。(4),(5)

もしファスティングに取り組む場合は、低血糖にならないよう過度な運動をする日や消費カロリーが多くなる日を避けたり、脱水症状を防ぐために1日2リットル以上水分を摂取したり注意しましょう。

糖質制限をすれば必ず脂肪が落ちる

ダイエットを行う上で糖質制限はよく耳にする言葉ですが、糖質制限によって必ず脂肪だけが落ちるわけではありません。

たしかに糖質を摂取すると、体は血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がり過ぎないように、膵臓から「インスリン」というホルモンを分泌します。インスリンには、血糖値を下げるとともに、余った血糖を脂肪に変えて体にため込む働きがあるため、糖質の摂取量を減らせば体脂肪を蓄えにくくなるでしょう。

しかし、人体は複雑で、糖質制限しても必ず代わりに脂肪が使われるとは限りません。

脂肪の代わりに筋肉がエネルギーとして使われ、筋肉量が減少してしまう可能性もあります。また、長期的に見るとリバウンドしやすいこともわかっています。(6)

厚生労働省によると、基礎代謝量1,500kcal(1日)とした場合、最低限必要な糖質量は約100g(1日)(7)とされています。炭水化物は活動のエネルギー源になるため、炭水化物を全くとらないのではなく、継続できるくらいの緩やかな制限がよいでしょう。

筋トレをすると太って見える

筋トレをして筋肉の量が多くなると、力士やボディビルダーのように体格がよく太って見えてしまうという噂を耳にしたことのある人はいるかもしれません。

しかし、実際に太って見えるようになるほど身体が大きくなるまで筋肉をつけるには、相当ハードなトレーニングが必要です。

週に数回、適度な筋トレをする程度で体重が重くなったり、身体が大きくなったりすることは基本的にないといってよいでしょう。

筋トレは基礎代謝量を増加させるので、リバウンドしにくく引き締まった身体作りに貢献できます。体重の数値にとらわれず、理想の体型を手に入れることを目指しましょう。

基礎代謝は加齢によって低下する

基礎代謝とは、呼吸や食べ物の消化など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことで、ヒトが一日で消費するエネルギーの約6割を占めます。(8)そのため、基礎代謝量が大きいと痩せやすく、小さいと痩せにくいといえます。

基礎代謝は年齢を重ねるにつれて減少傾向にあるものの、大きな変化はありません。

年齢・性別基礎代謝(kcal/日)
30-49歳男性1,530 kcal/日
50-69歳男性1,400 kcal/日
30-49歳女性1,150 kcal/日
50-69歳女性1,100 kcal/日

厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」(9)を参考に作成

年齢が上がるにつれて太りやすくなる原因は、身体活動による代謝低下とそれに伴う筋力低下の影響が大きいでしょう。

加齢とともに骨格筋が衰え運動機能も低下するので、若い頃と全く同じ身体活動量を得ることは難しいものの、階段を使ったり電車のなかでは立ったりと日常生活から筋肉をつけるよう意識していくことが大切です。

日々の暮らしで実践できる!簡単ダイエット術(食事編)

ダイエットを成功させるには、日々の生活において食事と運動の両面から正しくアプローチすることが重要です。本当に効果のあるダイエット方法として、まずは食事面のポイントから紹介します。

適切なカロリーコントロールをする

適切なカロリーコントロールによって摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにすれば理論上、体重は減っていきます。

ただし体重を1kg減らすには、消費カロリーと摂取カロリーの差が約7,000kcal必要だといわれています。(10)仮に 10日間で1kg、食事制限だけで体重を減らす場合、1日あたりに摂取カロリーを約700kcal減らす必要があります。

これは30~49 歳(53.1kg)の女性の場合、1日の基礎代謝量が1,150kcalとされるため、一食分以上のカロリーに相当します。毎日一食抜くほどのカロリー制限を10日間続けるのは、なかなか大変なことです。

もしも頑張って体重を減らせたとしても、その後、ダイエット前と同じ食生活に戻してしまえば、再び体重は増えてしまうでしょう。これではダイエット成功とはいえません。

カロリーはただ減らすのではなく、継続できるバランスで少しずつ調整することが大切です。

落としにくい脂肪は美容医療を選択肢に

ダイエットでは落としにくい特定の部位の皮下脂肪は美容医療で対処するのも手

体重を落としても、どうしてもお腹の脂肪が落ちない…など、特定の部位の皮下脂肪に悩んでいる方は、美容医療による痩身治療を選択するのも手です。

お腹や太もも、二の腕などにつきやすい皮下脂肪と呼ばれる脂肪は、一度つくとなかなか落としにくいのが特徴といわれています。

美容医療であれば、気になる部位の脂肪細胞だけを減らすことができるため、部分痩せが可能です。自分の理想とする体型に近づくためにも、一度クリニックへ相談してみるといいでしょう。

食べる順番や内容を意識する

食べる順番や食事の内容を工夫すると、ダイエットにつながりやすいことがわかっています。

食事をする時には、まず野菜から食べ始めましょう。野菜やキノコ類に含まれる食物繊維の影響で血糖の上昇が抑えられるため、インスリンが過剰に分泌されにくくなり、必要以上に脂肪をため込むことが少なくなります。

また、特定の食品や栄養素を偏って摂取しないように食事内容に注意しましょう。例えば、タンパク質には食べ過ぎを防ぐ効果があるといわれますが、摂取量が多過ぎると腎機能に悪影響を与えるという報告があります。 (11)

どんなに健康によいとされる食品や栄養素も、とり過ぎると思わぬ影響が生じます。食事の順番や内容を意識しつつ、バランスよく摂取することを心掛けましょう 。(12)

食事をよく噛んで食べる

食事をよく噛んで食べることも、ダイエットに効果的な方法のひとつです。ゆっくりとよく噛んで、できれば30分ほど時間をかけて食事をしましょう。

食事開始から20分ほどすると、満腹中枢を刺激するホルモン(CCK、インスリン、GLP-1)が分泌され始めます。通常のスピードで食事をした場合、満腹中枢を刺激するホルモンの分泌が始まるのは、おそらく食後です。

ですが、よく噛んでゆっくり食べると、食事中から満腹中枢を刺激するホルモンが分泌され始め、その結果、食事量が減って (13) 食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。

また咀嚼回数を増やすことで、口周りの筋肉である咬筋や口輪筋などが引き締められ、たるみしわの防止にもつながっていくでしょう。 

食べる時間帯を意識する

ダイエットを行う上で食事をとるタイミングも大切

食事をとるタイミングもダイエットを行う上で意識したいポイントです。

空腹の時間が続くと、代謝酵素が活性化され基礎代謝が向上し消費カロリーを増やすことができます。

また、私たちの体には、時計遺伝子という時間をつかさどる遺伝子があります。時計遺伝子は、「朝になると目が覚めて、夜になると眠くなる」という体内時計を維持する働きをもつとともに、栄養の摂取や吸収にも関わっています。

時計遺伝子の働きによって、朝と夜とでまったく同じものを食べても、夜に食べるほうが栄養をため込みやすく、太りやすくなってしまうのです。(14)

例えばハイカロリーのメニューを食べる場合はなるべく早い時間にするなど、食事をする時間帯を意識すると、ダイエット効果が期待できるでしょう。

日々の暮らしで実践できる!簡単ダイエット術(運動編)

食事だけでなく運動も、ダイエットの成功に導く重要な近づく意識を向けたほうが効率的でしょう。運動のポイントは以下の通りです。

有酸素運動でカロリーを消費する

有酸素運動とは、酸素を使って体内の糖や脂肪を燃やす運動のことです。

有酸素運動を定期的に行うと、消費カロリーが増えてダイエットの成功につながりやすいほか、内臓の周囲にたまる内臓脂肪を燃焼させ、生活習慣病を抑制する効果がある ことがわかっています。(15)

運動経験の少ない人でも取り組みやすいのが特徴です。まずは体調を見ながら、ウォーキング、サイクリングなどの軽い運動を1回20分程度、週に2~5回取り組んでみるとよいでしょう。(16)有酸素運動と筋トレを組み合わせて行うと、さらに脂肪燃焼効果が高まりやすくなります。

筋トレで消費カロリーを増やす

ダイエットをする上で筋トレがよいとされるのは、筋トレを行うことで、筋肉量を増やし、基礎代謝が大きくすることができるためです。筋肉の増加によって、結果的に消費カロリーが増え、痩せやすい身体になるといえるでしょう。

筋トレでは主に、下半身の筋肉を鍛えるのがおすすめです。下半身には、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える、太ももやお尻の筋肉(大腿四頭筋、大臀筋)などの大きな筋肉があります。(17)大きな筋肉を鍛えることで消費カロリーが効率的に増やすことができるでしょう。

下半身を鍛えるおすすめの筋トレメニュー

下半身を鍛えるメニューとしては、「スクワット」を行ってみましょう。

スクワットは下半身全体の筋肉(殿筋・股関節屈筋・大腿四頭筋・ハムストリング・ふくらはぎ)を満遍なく鍛える効果があります。 (18)

下半身を鍛えるおすすめの筋トレ「スクワット」の方法

スクワットの方法

  1. 両足を肩幅くらいに開き、手はクロスして肩の上に置く
  2. お尻を後ろに引いて上体をやや前傾し、膝が前に出ないようしゃがむ
  3. 2秒かけてしゃがみ2秒かけて立ち上がる
  4. 立つのがツラい人は膝を手で押す

上記の動作を1回とし、10回行います。できる方は少し休んでさらに5回速く立ち上がってみましょう。

上腕を鍛えるおすすめの筋トレメニュー

二の腕の脂肪が気になる方は、「リバースプッシュアップ」がおすすめです。

リバースプッシュアップでは、腕の筋肉の7割を占める上腕三頭筋を鍛えられます。

上腕を鍛えるおすすめの筋トレ「リバースプッシュアップ」の方法

リバースプッシュアップの方法

  1. イスに軽く腰掛け、座るところの先端をつかむように手をつく
  2. 肘を曲げながら身体を前に出してお尻をイスから降ろす
  3. 肘を伸ばし身体を持ち上げる

この動作を1回とし、8~12回を2~4セット、週に2~3回ほどの頻度で始めてみましょう。 (19)

お腹を鍛えるおすすめの筋トレメニュー

下腹部の脂肪が気になる方は、「ニートゥチェスト」がおすすめです。

ダイエットをしてもなかなか下っ腹がへこまない方の場合、腹直筋下部が緩んでしまっていることが多いため、ニートゥチェストによって、腹筋では鍛えられない腹直筋下部を鍛えられます。

お腹を鍛えるおすすめの筋トレ「ニートゥチェスト」の方法

ニートゥチェストの方法

  1. 床に座り、両手はお尻より少し後ろの位置へ置く
  2. お尻でバランスを取りながら両足を伸ばして、両足を曲げて胸の前までぐっと引き寄せる
  3. 足の曲げ伸ばしをゆっくりと繰り返す

この動作を1回とし、8~12回を2~4セット、週に2~3回ほどの頻度で始めてみましょう。(19)

定期的にトレーニングを行い、徐々に筋肉をつけて、消費カロリーを増やしましょう。

無理なダイエットにはリスクも

ダイエット効果をすぐに得ようと、急激な食事制限や、過酷な運動などのダイエットに取り組む方もいますが、無理なダイエットは身体にリスクを及ぼすため注意が必要です。

無理なダイエットに取り組む前に、あらためてリスクについて知っておきましょう。

栄養不良になりうる

ダイエットをする上で気をつけたいのが、極端なカロリー制限による栄養不良です。

低栄養(栄養不足)や栄養の偏りが起こると、病気のもとになることも。

タンパク質やビタミンが不足すると、筋肉が減り、代謝量が低下するほか、肌や髪の毛、爪にもダメージを与えます。鉄分が不足すると貧血の原因となります。

体重を適切に減らしてキープするには、カロリーだけを意識するのではなく、栄養バランスもしっかりと意識することが大切です。(20)

長い目で見て、無理なく減量することが、ダイエットの成功につながります。

無理なダイエットは栄養不良になりうるので注意

太りやすくなる

無理なダイエットをすると、一時的に体重が減った後、元に戻ったりダイエット前より太ったりしてしまう「リバウンド」により、かえって太りやすい体になってしまう可能性があります。

ヒトの体には、体の状態を今のまま維持しようとする働き(ホメオスタシス)が備わっています。短期間でダイエットするために食事量を大幅に減らすと、ホメオスタシスによって体は、少ないエネルギーでも活動できるよう省エネになります。同時に、減ってしまった体重を元に戻そうとする働きも生じます。

その結果、ダイエット前と同じ食生活に戻すと、以前よりもエネルギー消費量が少ないので体にため込むエネルギーが多くなる上、減った体重を元に戻そうとする働きともあいまって、以前よりも体重が増えたり、太りやすい体になったりしてしまうことがあるのです 。(21)

短期間で急激な食事制限をするのではなく、少しずつカロリーコントロールを行っていきましょう。

摂食障害につながる可能性がある

無理なダイエットによる摂食障害のリスクについても知っておきましょう。

摂食障害とは、自分で食欲がコントロールできなかったり、食べたものを自ら嘔吐してしまったりなど、食事に関連した行動の異常が続くことです。(22)

とくに太っていないのに「痩せなければ」という焦りを感じる場合、自分の今のBMI(体格指数)をチェックしてみましょう。BMIが18.5以上25.0未満であれば普通体重ですので、基本的にダイエットの必要はありません。また、18.5未満になると低体重=痩せ過ぎとなり、健康を阻害するおそれがあるため、目標体重や期間を予め設定し、自分の身体と上手に付き合っていくことが重要です。(23)

BMI(kg/m2判定
18.5未満低体重
18.5以上25.0未満普通体重
25.0以上30.0未満肥満(1度)
30.0以上35.0未満肥満(2度)
35.0以上40.0未満肥満(3度)
40.0以上肥満(4度)

※日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」を参考に作成(24),(25)

※BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(痩せ)の判定に用いられます。例えば身長160cm(1.6m)、体重60kgの人のBMIは、60÷(1.6×1.6)≒23.4で、普通体重の分類に入ります。

ダイエットしても落ちにくい脂肪にアプローチするなら美容医療を賢く取り入れよう

ダイエットしても落ちにくい脂肪は医師に相談してみよう

食事制限や運動に取り組んでみても、お腹の脂肪がなかなか落ちないなど、特定の部位をすっきりさせたいという方は、美容医療という選択肢もあります。

例えば、脂肪冷却治療では、メスを使わずに特定の部位の脂肪細胞を減らすことができ、部分痩せを実現できるでしょう。

また、体型悩みの原因について相談ができたり、ダイエットの方法についてアドバイスをしてくれたりするクリニックもあるので、興味のある方は一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

ダイエットに関するよくある質問

ダイエットについて、よく聞かれる疑問を先生に伺いました。

10キロ痩せるにはどれくらいの期間が必要?

肥満症診療ガイドラインによると、3~6カ月で現在の体重の3%を目標に減量するとよいとされています 。(25)

体重60kgの人の3%は、1.8kgです。ガイドラインにのっとると約10kg痩せるには、少なくとも15カ月=1年3カ月ほどの期間が必要です。

しかし、体重100kgの人の場合、体重の3%=3kgなので、順調にいけば9カ月余りで安全に約10kgの減量が可能です。このように10kgを減量するまでの期間には個人差があり、一概にいうことはできません。

ただし、10kgを減量するのは時間と根気がいるものです。食事制限や運動に加えてクリニックでの痩身治療を取り入れることで、より効率的にすっきりとした見た目へ近づけるでしょう。

年齢を重ねるにつれて痩せにくくなってきた。どうしたらいい?

「年をとると痩せにくくなる」とよくいわれますが、それは年齢を重ねるとともに身体を動かす機会が減ったり、骨格筋が衰え運動機能が低下したりすることによって、若い頃と同じ身体活動量を得にくくなっているのかもしれません。

わずかな時間でもいいので筋トレなどの運動をして筋肉をつけ、基礎代謝を上げることが大切です。(9)

また、食べる量が減っているのに痩せにくさを感じる方は、高カロリーのものを少量ずつ摂取しているのかもしれません。カロリー計算をし、摂取カロリーが基礎代謝以内に抑える習慣を身につけましょう。

ただし、お腹や太もも、二の腕などにつく皮下脂肪は、一度ついてしまうと落としにくいとされている(26)ため、筋トレや食事制限をしてもなかなか効果が出ないという方は、脂肪冷却治療などクリニックで痩身治療を受けるのもよいでしょう。

ダイエットサプリだけで痩せることはできる?

ダイエットサプリを使って、簡単に痩せたいと考えている人もいるでしょう。

しかし、消費者庁の報告によると「飲むだけで痩せる」と謳っているサプリのなかには、下痢を引き起こしたり、内臓に大きな負担をかけたりなど、健康を害するものもあります。(27)

そのため、配合されている成分や、販売元がどんな企業であるか慎重に見極める必要があります。サプリメントの活用をする場合は、安易な購入はせずクリニックに相談するようにしましょう。

ダイエットで食べるならやっぱり和食?

ダイエット中の食事として和食は、主食の米に汁物、主菜、副菜が中心となるため、栄養バランスを整えやすく、また西欧食に比べて低脂肪であるため、ダイエット向きのメニューといえるでしょう。

和食の調理法の多くは、「煮る」「茹でる」「蒸す」といった油を使わず、さらに魚、大豆などの低脂肪で高タンパクな食品も多く摂取できます。また、だしを上手に使うと、減塩効果も期待できるでしょう。(28)

極端な食事制限でダイエットに挫折してしまったという経験のある方は、和食による緩やかな食事制限を取り入れてみてもいいかもしれません。

和食はダイエット向きのメニュー

運動をするなら朝と夜どっちがいい?

有酸素運動などの軽い運動ならば、朝の空腹時に行ったほうがよいでしょう。低血糖時のほうが、脂肪がより消費されやすいというメリットがあります。(29),(30)

とはいえ、運動をする時間にこだわって、運動ができなければ本末転倒です。大切なのは「いつやるか」ではなく、定期的に運動する習慣を身につけることです。朝か夜かにこだわらず、まずは運動の習慣を身につけましょう。

ダイエットが継続できない。どうしたらいい?

ダイエットが継続できず、困っている女性

ダイエットが続かないのは、決して珍しいことではありません。続かなかったからといって落ち込む必要はありませんが、どうしてもダイエットをしたいという場合は、美容医療の力を借りるのも手段のひとつです。

例えば、脂肪冷却治療と呼ばれる痩身治療では、お腹や太もも、二の腕などの気になる部位に機器を当てることで、脂肪細胞自体を減らして部分痩せが行えます。

ほかにも脂肪溶解注射や、脂肪吸引など痩身治療の選択肢は複数ありますので、まずはクリニックで相談してみるとよいでしょう。

摂取カロリーを減らすためには朝ご飯は食べないほうがよい?

ダイエットを考える上で摂取カロリーを意識することは大切ですが、朝ご飯を抜くことはメリットもあればデメリットもあります。

メリットとしては、前日夜からの空腹時間が長くなることで、代謝酵素が活性化し、代謝が促進されてダイエット効果が期待できるでしょう。

一方で朝ご飯を抜くと、脳のエネルギーが不足して集中力や記憶力の低下などにつながります。また、朝ご飯を食べないでいると、前日の夕食~翌日の昼まで12時間以上、何も食べていないことになるため、空腹続きで体が栄養をため込みやすい状態にもなってしまいます。(31)

ポイントは空腹時間を長く保つことにあるので、朝ご飯を抜くことより、夜ご飯を食べる時間を18時までに終わらせて、朝ご飯は7時に軽めに食べるなどの取り組みから始めてはいかがでしょうか。

男性と女性で太り方や痩せ方の違いはある?

男性と女性とでは、体の生理機能や体質、かかりやすい病気などに違いがあります。そのため、太り方や痩せ方も男女で異なると考えられます。

例えば、男性は臓器の周りに脂肪が付着する「内臓脂肪」がつきやすい(32),(33)のに対して、女性は筋肉の量や血管の太さ、性ホルモンの影響などにより「皮下脂肪」がつきやすい傾向があります。(26),(34)

とくに皮下脂肪は、一度蓄積するとなかなか落としにくいとされているため、食事や運動に合わせて、美容医療の力を借りて効率的なボディメイクを目指すのも手です。

痩身治療のなかには、メスを使わずに、お腹・太もも・二の腕といった気になるパーツの部分痩せが目指せる脂肪冷却治療などの選択肢もあるため、興味のある方はクリニックに相談してみましょう。

参考文献

(1) 厚生労働省「eヘルスネット」糖尿病を改善するための運動
(2) Spalding KL, et al. Nature 2008;453:783-7;2.
(3) Rafael de Cabo,Mark P Mattson. N Engl J Med 2019; 381(26):2541-2551.
(4) 一般社団法人 日本スポーツ栄養協会 「スポーツ栄養Web」 カロリー制限による減量、筋肉量とパフォーマンスへの影響が少ない食事の摂り方とは?
(5) 国立病院機構西別府病院「スポーツ医学センター」エネルギー不足は糖質不足から生じる
(6) D Schwarzfuchs,R Golan,I Shai. N Engl J Med 2012;367(14):1373-1374.
(7) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
(8) 厚生労働省「e-ヘルスネット」身体活動とエネルギー代謝
(9) 厚生労働省「e-ヘルスネット」加齢とエネルギー代謝
(10) 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康・栄養フォーラム」
(11) Kamyar Kalantar-Zadeh, Holly M Kramer, Denis Fouque. Nephrology Dialysis Transplantation 2020;35(1):1–4.
(12) 厚生労働省「e-ヘルスネット」食事バランスガイド(基本編)大久保 公美,武見 ゆかり
(13) Hendrik Jan Smit, E. Katherine Kemsley, Henri S.Tapp, C.Jeya K.Henry. Appetite 2011;57(1):295-298.
(14) Y Tahara,S Shibata. J Pharmacol Sci. 2014;124(3):320-35.
(15) A Kong, et al. J Acad Nutr Diet. 2012; 112(9):1428–1435.
(16) 厚生労働省 成人を対象にした運動プログラム
(17) 厚生労働省「e-ヘルスネット」QOLの維持・向上に大切な筋肉は?谷本 道哉
(18) 厚生労働省「e-ヘルスネット」スクワット
(19) 厚生労働省「標準的な運動プログラム-成人を対象にした運動プログラム」
(20) 厚生労働省「e-ヘルスネット」ダイエット 由田 克士
(21) R L Leibel, M Rosenbaum, J Hirsch. N Engl J Med. 1995;332(10):621-8.
(22) 厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」摂食障害
(23) 厚生労働省「e-ヘルスネット」 BMI
(24) 厚生労働省「e-ヘルスネット」肥満と健康 三好 美紀
(25) 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
(26) 厚生労働省「e-ヘルスネット」皮下脂肪型肥満
(27) 消費者庁「消費者の皆様へ(健康食品の表示について)」
(28) 永井 成美, 坂根 直樹, 森谷 敏夫 低脂肪,低エネルギーに調整した和食の予防医学的効果 糖尿病,51 巻 , 10号,2008.
(29) Pilegaard H, et al.J Physiol. 2002;541(1):261–271.
(30) 独立行政法人 農畜産業振興機構 アスリートにおけるパフォーマンス向上につながる糖質摂取
(31) 厚生労働省 摂取のタイミング(時間栄養学)
(32) 高柳 有希, 今村 駿ら. MRIによる内臓脂肪体積測定:内臓脂肪面積計測位置との相関の検討.人間ドック. 2013; 28(4):622-628.
(33) 厚生労働省「e-ヘルスネット」内臓脂肪型肥満
(34) 古泉 一久 筋厚,皮下脂肪厚の分布と身体組成との関係  城西大学研究年報 自然科学編. 1998;22:125–133.

監修・取材協力

品川美容外科 名古屋院 院長 河内 泰仁 先生

品川美容外科 名古屋院 院長 河内 泰仁 先生

2014年、岐阜大学医学部医学科卒業。岡崎市民病院勤務を経て、2016年、品川美容外科に入職。品川美容外科 名古屋院 主任部長、同院 副院長を歴任し、2023年より現職。各人の「なりたい自分」のイメージをじっくり聞き、個々に適した最良の治療を提案している。日本美容外科学会認定 美容外科専門医(JSAS)

品川美容外科 名古屋院

住所:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅2-45-19 桑山ビル2F

前の記事へ
次の記事へ