世界で使用されている脂肪冷却治療。部分痩せが期待できることやメスを使わない治療であることから日本でも広まっています。脂肪冷却治療は、その名前の通り「脂肪を冷却」することで痩身効果をねらうものですが、なぜ冷やすことで脂肪にアプローチでき、部分痩せ※1 が期待できるのでしょうか。

※1:部分痩せは体重を減少させるものではなく、あくまで局所の皮下脂肪を減少させ、体型を改善することを指す

監修・取材協力:下島 久美子 先生(KUMIKO CLINIC 院長)

脂肪冷却で痩せる仕組みとは?

脂肪冷却による痩身(そうしん)効果は、科学的根拠に基づいたものです。詳しく説明します。

冷やして痩せるメカニズム

脂肪冷却治療は、「水分は0℃で凍るのに対し、脂肪は4℃で結晶化し始める」というハーバード大学での研究から生まれた治療です。(1)

人間の体では、冷やされた脂肪細胞は、内部の脂肪が結晶化することで徐々に死滅し、体外に排出されることがわかっています。(1) この研究を部分痩せ治療に応用し、(2) ねらった箇所の脂肪を適切な温度で冷やす機器が開発され、世界中で脂肪冷却治療が行われています。

※イメージ
文献(1)を参考に作成

脂肪冷却治療では、どのように脂肪が減る?

脂肪冷却治療は、施術する部位を専用の機器で吸引・冷却し、細胞内の脂肪だけを結晶化していきます。

1.脂肪を吸引・冷却

ねらった部位の脂肪を専用機器で吸引しながら、35分~75分程度冷やします。(1)

※イメージ
文献(1)を参考に作成

2.細胞内の脂肪が結晶化

機器に吸引され、冷やされた脂肪のみが結晶化します。(1)

※イメージ
文献(1)を参考に作成

3.死滅した脂肪細胞が自然に排出される

死滅した脂肪細胞は機能しなくなり、数週間から数カ月かけて、自然に体外に排出されます。(1),(3),(4)

※イメージ
文献(1)を参考に作成

4.皮下脂肪の厚みが薄くなる

排出された脂肪細胞の分だけ、皮下脂肪の厚みが薄くなります。脂肪冷却治療では、このようにねらった部分の皮下脂肪のみの減少を目指すことができます。また、一度減った脂肪細胞の数は基本的に再度増加することがないため、※2 個人差はありますが、リバウンドのリスクを抑えることも期待できます。(5)

※2:急激な体重増などがある場合を除きます

※イメージ
文献(1)を参考に作成

脂肪冷却治療のメリット

脂肪冷却治療は、世界中で使用されており、メスや注射を用いることなくサイズダウンを目指すことができます。ここでは、その具体的なメリットを紹介します。

部分痩せが可能

機器でアプローチした箇所のみに効果が現れるため、お腹やわき腹はもちろん、ノースリーブで気になる二の腕、ブラジャーからのはみ肉、スキニーパンツを着こなすときに気になる内ももや外もも、お尻の下のお肉のほか、背中、ひざ上のお肉など、さまざまな箇所の部分痩せがねらえます。(4)

ドレスを着るので背中までキレイに見せたいという人や、スカートからでるひざをすっきりさせたい人なども、気になる部分にピンポイントでアプローチできます。

また、脂肪冷却治療によって一度減らした脂肪細胞の数は、治療後、再び増加することは基本的にないため、※2 個人差はあるものの、リバウンドのリスクを抑えられる点も嬉しいポイントです。(5)

※2:急激な体重増などがある場合を除きます

※イメージ
文献(4)を参考に作成

メスを使わないのでダウンタイム※3 が短い可能性がある

メスを使う治療ではないため、体への負担が少ないことも魅力です。施術中は、肌を吸引される感覚や冷たさやしびれなどを感じますが、どちらも10分程度で慣れるといわれています。(1)

※3:施術後から回復までの期間のことで、施術前の生活を取り戻せるまでの期間

安全性と有効性について一定の報告がなされている機器もある

脂肪冷却治療に用いる機器のなかには、各国で安全性及び有効性が検討されている機器もあります。一定の知見が蓄積されており、体への負担が少なく治療ができるのも、脂肪冷却治療のメリットといえます。

脂肪冷却治療で注意すべき点やデメリット

一方で脂肪冷却治療は、すべての肥満タイプに適しているわけではなく、一般的なダイエットとは異なる点もいくつか存在します。あらかじめ知っておくべきデメリットについて説明します。

内臓脂肪は減らせない

脂肪冷却治療は、皮下脂肪を冷却し減少させる治療です。肌の外側から専用の機器で脂肪を吸引・冷却します。そのためお腹の内側にある内臓脂肪には、効果を発揮できません。(1),(4)

※イメージ
文献(1),(4)を参考に作成

また、脂肪冷却治療は、全身痩せを望む場合や体重を減らしたい場合には、向いていないことも知っておきたいポイントです。脂肪冷却治療は、皮下脂肪にアプローチし、部分痩せでボディラインを整えることを目的とした治療です。(1),(4)

体重や全身の体型が気になる方は、内臓脂肪にアプローチするエクササイズやダイエットで体重を落とし、その後、メリハリをつけるために脂肪冷却治療で気になる部分の脂肪を減らしていくとよいでしょう。

効果が現れるまで数カ月かかる

脂肪冷却治療により死滅した脂肪細胞は、時間をかけて徐々に排出されていきます。そのため、施術後すぐに効果を実感できるものではありません。一般的に効果を実感できるまでに数週間から数カ月ほどかかります。(1)~(4)

施術後の一時的なピリピリ感や赤み、痛み

施術後に、一時的な赤みやピリピリ感、痛みを感じる場合があります。痛みの場合、臨床研究において時間とともに軽減し、解消することが報告されています。(1),(6) 施術後は、むやみに施術箇所を触ったり、温めたりしないようにしましょう。

まとめ

脂肪冷却治療は、メスを使わずに冷やすことで気になる部分の脂肪細胞を減らし、部分痩せを目指せる治療法です。科学的根拠に基づいたメカニズムでボディラインを整えられるのが魅力ですが、効果が現れるまでには時間がかかり、内臓脂肪には効果がないといった特性も理解しておく必要があります。

治療を受ける際は、クリニック選びも重要です。導入されている機器の種類を事前に確認するとともに、ご自身の希望や体質に合わせて丁寧に説明してくれる医師のいるクリニックを選びましょう。
まずはカウンセリングを受け、理想のボディラインへの第一歩を踏みだしてみてはいかがでしょうか。

参考文献

(1) 野本 真由美: 美容皮膚医学 BEAUTY. 2019; 2(11); 33-42.
(2) Manstein D, Anderson RR,et al. : Lasers Surg Med. 2008 Nov; 40(9); 595-604.
(3) Zelickson B, et al. : Dermatol Surg. 2009; 35; 1462-70: 3.
(4) 中野 俊二: Bella Pelle. 2018; 3(4); 14-19.
(5) Spalding KL, Arner P. et al. : Nature. 2008 Jun 5; 453(7196); 783-7.
(6) Terrence C Keaney, et al. Dermatol Surg 2015: 41: 1296-99: 11.

JP-AGNA-230356

監修・取材協力

KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

KUMIKO CLINIC 院長
下島 久美子 先生

金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科入局、内科医として大学病院、一般病院にて臨床経験を積んだあと、都内某美容クリニックに入職し、レーザー治療、注入療法の美容医療全般を学び美容皮膚科医としての臨床経験を積む。2014年、日比谷・有楽町に自身のクリニックを開院。2023年、白金台プラチナ通りに移転し現在に至る。日本内科学会認定医、サーマクール認定医、アラガン社ボトックス・ヒアルロン酸注入指導医。患者さんに提供する美容医療は、自分自身で体験し評価する。メスを使わない痩身治療とメスを使わない自然で美しい若返りを叶える注入治療の二つの治療を得意とする。

※KUMIKO CLINICは2023年に白金台プラチナ通りに移転しております。

KUMIKO CLINIC

住所:東京都港区白金台4-19-13 白金台TFビル2F (受付) ・3F

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