美容医療は、病気を治すための医療とは異なり、自分らしい美しさを手にいれるための医療です。今やテレビや女性誌で、美容クリニックの広告を目にしないことはありません。また、美容医療を受けていることを公表される方も増えています。

美容医療ではどんな治療を受けることができるのでしょうか。また、どんなリスクがあるのでしょうか。美容医療について知っておきたい基礎知識をご説明します。

監修・取材協力:古山 登隆 先生(医療法人社団 喜美会 自由が丘クリニック 理事長)

美容医療とは

美容医療とは、「自分らしい美しさを求めて見た目の改善を図るための医療」です。

美容医療は病気やケガを治すために行われる医療行為とは異なり、「自分の意志でのぞむ治療」です。そのため、仕上がりの満足度には個人差が大きく現れ、トラブルにも発展しやすいとも言えます。

情報を冷静に見定めトラブルを避けるために、美容医療についてまずは正しい知識を身につけることが大切です。

美容医療とエステティックサロンの違い

美容医療とエステティックサロンは混同されがちですが、実は大きく異なります。まず、エステティックサロンがリラクゼーションなどを目的とした「サービス」であるのに対し、美容医療は「医療」であるという点が大きな違いです。具体的にご説明します。

美容医療の施術者は「医師」

美容医療は、国家資格である医師免許を持つ者が、医療機器による注射や手術、医薬品の処方などを行う医療行為です。(1)

一方、エステティックサロンでは、医師の資格を必要としない施術を行います。(2)

美容医療には科学的根拠に基づいた「効果」がある

美容医療では、科学的な根拠に基づいて効果が検証されている医薬品や医療機器を用いて治療を行います。(3)したがって、医師による治療法・治療計画の提示が必要となります。

一方、エステティックサロンで行う施術には、科学的な根拠が伴わず、効果が不明瞭なものが多くあります。(4)

美容医療の種類と代表的な治療

美容医療の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴と治療法をご紹介します。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません

メスを使う手術治療

理想的な見た目に近づけたり、見た目の若さを保つために、メスを用いた手術によって行う治療です。

  • 治療例

二重まぶたの手術

鼻を高くする手術

余分な皮膚を切って吊り上げるリフトアップの手術

脂肪を吸引する手術

注射や機器などによる、メスを使わない治療

しわ、しみ、たるみ、毛穴の開き、ニキビなど、老化や肌荒れを改善するために行う、注射による注入治療やレーザー治療、機器を用いた部分痩せ治療などが代表的です。

  • 治療例

表情じわ改善のためのボツリヌス治療

しわ・たるみ改善のためのヒアルロン酸注入治療

シミ取りや肌質改善を目的としたレーザー治療

レーザー脱毛

部分痩せのための脂肪冷却治療

内服薬による治療

ホルモン補充や内服薬などを用いて、自らの免疫力に働きかけることで、体の内側から美へとアプローチする治療です。

  • 治療例

シミ改善を目的とした内服薬治療

外用薬による治療

美白効果を持つ(皮膚のメラニン色素に働きかける)外用薬を用いて行う治療です。

  • 治療例

シミやニキビ改善を目的とした外用薬治療

美容医療で発生するトラブルの事例

美容医療の治療を受ける際にトラブルを避けるためには、まずは自分を守るための知識を身につけることが大切です。独立行政法人国民生活センターのホームページには、美容医療を受ける際に起こったさまざまなトラブルが紹介されていますので、ぜひ確認してみてください。

近年、レーザー脱毛などの医療行為を提供しているエステティックサロンもあるため、トラブルが多く発生しています。(5)~(7)もしもレーザー照射によるヤケドなどの被害が生じた場合、医師のいないエステティックサロンでは対応することができません。そのため、レーザー脱毛を受けようと考えている方は、美容を専門とするクリニックでの受診が安全でしょう。

また、クリニックによっては安価であることや治療のメリットばかりを訴求し、トラブルに至る場合もあります。こういったトラブルを防ぐためには、治療を受ける美容クリニックを上手に選ぶ必要があります。美容医療の治療に関する知識をしっかりと持ち、自分が信頼できると思える医師のもとで、治療を進めることが大切です。

まとめ

美容医療は、「医療行為」です。

安易に治療を受けることはトラブルのもとになりますが、きちんとした知識を持って治療に臨むことで、自分らしい美しさを手に入れる手助けをしてくれる素晴らしい医療です。

美容医療に興味を持った方は、まず美容医療について知識を深めることから、始めてみてはいかがでしょうか。

 

参考文献
(1)内閣府 消費者委員会 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての実態調査報告(2011年12月21日)
(2)一般社団法人日本エステティック協会 エステティックとは
(3)一般社団法人 日本医療機器産業連合会 医療機器について
(4)一般社団法人 日本ホームヘルス機器協会 家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド
(5)独立行政法人 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」
(6)厚生労働省「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」
(7)内閣府「エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議」

監修・取材協力

医療法⼈社団 喜美会 ⾃由が丘クリニック 理事⻑ 古⼭ 登隆 先⽣

医療法⼈社団 喜美会 自由が丘クリニック 理事長 古山 登隆 先生

医学博士。北里大学医学部卒業。同大学チーフレジデント、外科研究員、形成外科講師を経て、1995 年自由が丘クリニックを開設。国立大学法人千葉大学 医学部形成外科 非常勤講師などを務める。日本形成外科学会認定形成外科専門医。ヒアルロン酸やボツリヌストキシン製剤の注入、糸リフト、レーザーなどを組み合わせた、メスを使わずにより美しくなるためのケアを主に行う。

医療法⼈社団 喜美会 ⾃由が丘クリニック

住所:〒152-0023 東京都目黒区八雲3-12-10パークヴィラ2F・3F・4F

前の記事へ
次の記事へ