顔は骨、脂肪、皮膚など複数の“層”でできており、エイジングはそれらすべてで同時に起こります。それぞれの層にアプローチする治療を複合的に組み合わせることで、「年を重ねても自然に美しい状態」を目指せます。
今回は、麻布ビューティクリニックの東 祥子 先生と、X CLINIC 大阪院の村西 佑美 先生に、顔のエイジングメカニズムと治療法、そして複合治療の重要性をうかがいました。
監修・取材協力:
東 祥子 先生(麻布ビューティクリニック)
村西 佑美 先生(X CLINIC 大阪院)
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顔は骨、脂肪、皮膚など複数の“層”でできており、エイジングはそれらすべてで同時に起こります。それぞれの層にアプローチする治療を複合的に組み合わせることで、「年を重ねても自然に美しい状態」を目指せます。
今回は、麻布ビューティクリニックの東 祥子 先生と、X CLINIC 大阪院の村西 佑美 先生に、顔のエイジングメカニズムと治療法、そして複合治療の重要性をうかがいました。
監修・取材協力:
東 祥子 先生(麻布ビューティクリニック)
村西 佑美 先生(X CLINIC 大阪院)
まずは医師として多くの女性の美の悩みに寄り添ってこられた豊富な経験を持つ東先生と村西先生に、エイジングの悩みにどのように向き合い、診療を行っているのかをうかがいました。
麻布ビューティクリニック 東 祥子 先生
東先生:「患者さんとの信頼を構築する」ことを大切にしています。気になっていることやなりたい目標をよくおうかがいしたうえで、プロとしてのアドバイスをさせていただきます。治療は、患者さんご自身に本当に納得して受けていただくことが大切です。一時的な効果だけでなく、長い目で見て「美容医療をやってよかった」と思っていただけるような、自然な仕上がりを心がけています。
X CLINIC 大阪院 村西 佑美 先生
村西先生:私が大切にしているのは、「患者さんご自身のよさを活かしたまま、キレイになっていただくこと」です。そのために、医師としての視点と患者さんご自身の視点、両方を踏まえてゴールとゴールまでのプランを考えています。また、そのプランは患者さんとしっかり共有し、一緒に歩んでいけるような関係を目指しています。
東先生:実は、目に見える変化の原因は顔の内側にあります。(1),(2) そのため私たちはまず、「なぜ加齢によって顔が変化するのか」という原因から説明しています。顔は皮膚、その下の脂肪や筋肉、そして骨という複数の「層」でできていますが、土台となる骨が萎縮してその上の層を支えきれなくなることが、しわやたるみの一因だということは、ほとんどの方がご存じありません。(1),(2)
文献(1)を参考に作成
東先生、村西先生にうかがった顔の層の変化を、イラストを交えて解説します。
皮膚層:加齢とともに真皮のコラーゲンなどが減少し、ハリ※2 が失われます。(3)
※2:弾力と同義
文献(1)を参考に作成
脂肪層:皮膚の下にある脂肪層は、加齢や重力の影響でボリュームが減ったり、下がったりします。(1),(2) また、皮膚と骨をつなぐ「リガメント(支持靭帯)」や、筋肉と皮膚の間にある「SMAS(筋膜)」がゆるむことで、支えが弱まります。(1),(2)
文献(1)を参考に作成
骨格:土台である骨が萎縮し、上の組織を支えきれなくなります。(1),(2)
文献(1)を参考に作成
エイジングサインは、こうした複数の層での変化が複雑に絡み合って現れます。
顔の「層」を理解すると、表面からのケアだけではエイジングサインの根源にアプローチするのが難しいことがわかります。そこをカバーできるのが美容医療です。
昨今は、デバイス治療や糸リフト、注入治療など、メスを使わない方法でしわ・たるみの治療を行うことが増えています。(4) 治療法ごとの役割を解説していただきました。
文献(1)を参考に作成
村西先生:一般的なのは「ハイフ(高密度焦点式超音波)」と「高周波治療」ですね。どちらも熱エネルギーを加えて組織のタイトニング(引き締め)を狙う治療です。(5)※3
東先生:ハイフは、専用の機械で超音波を集め、狙った深さにピンポイントで熱を与え、SMASや真皮の面状収縮を狙います。また、増えた脂肪細胞を減少させます。(5) 高周波は電流の一種で、水分やコラーゲンがある層に反応します。加齢で細く弱くなったコラーゲン繊維に熱が加わると、繊維が太く短く収縮し、脂肪組織を持ち上げ、三次元的なタイトニングが起こります。(5)
村西先生:ハイフは主に皮膚、皮下組織、SMAS(筋膜)に、高周波は真皮と脂肪層に働きかける治療です。(5)
※3:国内承認薬または機器が存在しない治療を含む可能性がありますが、それらを推奨するものではありません
東先生:糸リフトは、皮膚と筋肉の間にある脂肪組織に、「コグ」という、とげ状の突起が付いた特殊な糸を挿入する治療です。このコグで下垂した脂肪組織を持ち上げます。(6)
村西先生:加齢で下垂した脂肪を、元の位置にできるだけ自然な形で戻すことができます。※4 外科手術以外で「引き上げる」治療となると、糸リフトが代表的な選択肢ですね。(6)
※4:監修医師の臨床経験に基づく
東先生:ヒアルロン酸注入治療は、加齢によって減った骨や脂肪のボリュームを補ったり、真皮に刻まれたしわを改善するのに向いています。加齢にともない骨の容積が減ると、たとえば目のまわりのくぼみ(眼窩:がんか)が大きくなったり、頬が平らになったりして、老けた印象を与えてしまいます。(1)
村西先生:ヒアルロン酸は、こうしたエイジングによる変化を補ったり、年齢とともに痩せてくる脂肪層のボリュームを補充したりするのが得意な治療です。顔の層の深い部分を補って、内側から支えることができます。(1)
東先生:またヒアルロン酸注入治療は、部位によって、筋肉の動きを調整することも可能です。(7)
東先生:しわやたるみといったエイジングサインにアプローチするには、これらの治療法を組み合わせて行う必要があります。※5
※5:併用治療の有効性・安全性、またどれくらい期間を空けるか等は検証されておりません
村西先生:といっても、むやみにあれもこれもと勧めるわけではありません。顔の筋肉を動かしていただいたり、お顔に触れたりして診察しながら、どの層に原因があるかを見極め、必要な治療法をご提案しています。
東先生:顔の層のお話を丁寧にしてから治療プランをご提案すると、ほとんどの方は理解してくださいます。あとはご予算に合わせて、できることから少しずつ治療を始めていくことが多いです。
※6:併用治療の有効性・安全性、またどれくらい期間を空けるか等は検証されておりません
※7:監修医師の臨床経験に基づく
東先生:頬がコケてやつれた印象に見えるタイプの方は、「ボリュームロス」が原因でたるみが生じていると考えられます。(1),(2) 脂肪が下垂した部分はたるみ、そうでない部分はコケてしまうのです。ですから、まずはヒアルロン酸注入治療でボリュームを若いころの状態に近づけることをご提案します。(1) それに加えて皮膚の引き締めも大切です。ヒアルロン酸で土台を整えたうえで、高周波などで皮膚のハリを高める治療を続けていくと、よりよい状態を維持しやすくなります。(5)
エイジング治療では、複合的な視点に加え、長期的な視野も重要だと先生方はいいます。
東先生:エイジングケアは必ずしも一度にすべてを行う必要はありません。よく「コツコツ」といいますが、美容医療における「コツコツ」は、毎日や毎月でなくても構いません。半年または1年に1回でもクリニックでメンテナンスしていれば、それはもう立派な「コツコツ」だと私は思います。※9
村西先生:あとは「やりすぎない」ことも大切です。やりすぎを防ぐためにも、「もうこのぐらいでよい」と客観的にいってくれる、信頼できる主治医を見つけて、伴走できると理想的ですね。
東先生:今は情報が本当に多くて、なかには「この治療だけやっていれば万事OK」というサイトもあります。ただ、経験上、一つの治療で十分ということはありません。※9 「この治療がしたい」と決め打ちせずに、「私の顔にはどんな治療が最適ですか?」と相談してみてください。その際に、複合的かつ長期的な視点でアドバイスをくれる医師は信頼できるといえるでしょう。※10
※9:監修医師の臨床経験に基づく
※10:併用治療の有効性・安全性、またどれくらい期間を空けるか等は検証されておりません
村西先生:美容医療は、ご自身が楽しくいられたり、自分のことを好きになれたりするためのツールだと思います。適度な距離感で付き合いながら、楽しんでキレイになっていけるといいですよね。
東先生:まさにそうですね。気持ちよく過ごせるためのものであって、それ以上でもそれ以下でもないのかもしれません。あまり振り回されず、でも楽しめるように、安全性も重視しながら賢く選択していただけたらと思います。
参考文献
(1) 古山 登隆: 解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法:メディカルレビュー社. 2020
(2) 白壁 征夫: Bella Pelle. 2(4): 14-17. 2017
(3) 今泉 明子: 美容皮膚医学BEAUTY. 7(6): 71-75. 2024
(4) 山下 理絵, 宮田 成章 他: Bella Pelle. 2(4): 6-13. 2017
(5) 宮田 成章: イチからはじめる美容医療機器の理論と実践 改訂第2版. 2021
(6) 鈴木 芳郎: Bella Pelle. 2(4): 24-29. 2017
(7) Kim, JW., Wan, J. & Yi, KH. :Aesth Plast Surg 49 , 3922–3924 (2025).
(8) 山下 理絵, 近藤 謙司: Bella Pelle. 3(4): 24-26. 2018
奈良県立医科大学卒業。大阪医療センターに入職。自身もニキビ肌について悩みがあり、皮膚科医を目指す。保険診察のみでは改善できない肌問題もあると気づき、2016年より美容医療にも携わるように。2023年、麻布ビューティクリニックに入職。
麻布ビューティクリニック
住所:東京都港区六本木7丁目8-6 AXALLROPPONGI6階
兵庫医科大学医学部卒業。慶應大学病院、兵庫医科大学病院形成外科、市立池田病院形成外科にて保険診療に携わられたのち、2018年より大阪の美容クリニックでの勤務を経て、2024年、X CLINICに入職。
X CLINIC 大阪院
住所:大阪府大阪市北区曾根崎新地1-5-18 零北新地3階