年齢を重ねるにつれ、悩みが深まる顔のしわやたるみ。

「改善したいけれど、具体的に何をするのが一番効果的なの?」と戸惑っている方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、しわやたるみを招く「顔の老化」の原因と対策方法について、エースクリニック 理事長の竹内 先生に教えていただきました。

監修・取材協力:竹内 孝基 先生(エースクリニック 理事長)

顔の老化はなぜ起こる?意外と知らない顔の奥の変化

ふとした時に、5年前や10年前に撮った写真と最近の写真とを見比べて、変化に驚いた経験のある方もいるのではないでしょうか?

顔は一気に変わるのではなく、少しずつ変化していくので、日々鏡で見ている分には気が付かないことが多いものです。

年齢を重ねることで目立ってくる顔のたるみしわ……これらは肌の変化が原因だと考えられがちですが、実はそれだけではありません。顔が老化するとき、顔の奥で何が起こっているのか、竹内 先生に伺いました。

変化1.骨密度が減少し、骨が小さくなる

加齢と共に骨密度が減少し骨が小さくなる

年齢を重ねると、骨密度が減少し、骨が小さくなります。「土台」の役割である骨が縮むと、上にある筋肉や皮下脂肪、皮膚が垂れ下がり、顔全体がたるんで見えるのです。(1)

具体的には、こめかみや眼窩(がんか:眼球が入っているくぼみ)が広がり、頬・あごのまわりの骨はへこみ、やせこけるなどの変化が生じます。(1)

変化2.表情筋が衰える

加齢は、筋肉の衰えももたらします。表情筋もその一つです。

表情筋が衰えると、その上にある皮下脂肪や皮膚(真皮・表皮)を支えられず、顔がたるんだり、頬がこけて見えたりすることがあります。(1)

変化3.皮下脂肪の量が変化し移動(下垂)する

加齢と共に皮下脂肪の量が変化し移動する

おでこや頬に丸みをあたえ、オージーカーブを作り出しているのが皮下脂肪。年齢を重ねると、この皮下脂肪が減少したり、骨・筋肉の衰えによって移動(下垂)したりする傾向があります。(2)
その結果、顔のラインが平坦になり、老けて見えやすくなります。(1)

変化4.支持靭帯(リガメント)とSMAS(スマス)が衰える

加齢と共に支持靭帯とSMASが衰える

顔の皮膚や表情筋と骨をつなぎ、支える「支持靭帯(リガメント)」と皮下脂肪と筋肉の間に存在する筋膜「SMAS(スマス)」。(1),(2)
これらが加齢によって衰えると、皮下脂肪がずり落ち、支持靭帯の上に乗りかかり、下垂してほうれい線や頬などのたるみにつながってしまうのです。(1),(2)

変化5.肌のハリや弾力性の低下

加齢と共に肌のハリや弾力性の低下が起きる

加齢や紫外線ダメージの長年の蓄積によって真皮に変化が起こると、肌自体のハリや弾力が低下します。(1),(3)
その結果、しわが刻まれやすくなります。(1),(3)

顔の奥の老化にアプローチしたいなら、美容医療を味方にするのが手!

顔の老化は、顔内部の変化がいくつも重なって起こるため、セルフケアで根本的な解決をすることは難しいといえます。

もしも根本的な改善をしたいのであれば、美容医療を取り入れてみてはいかがでしょうか?今の自分の状態を正しく把握して、適切な治療を受けることで、顔の老化の根本的な対策につながるはずです。

代表的な治療として以下が挙げられます。(1),(4)~(9)

※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません。

なかでも手術に比べて体への負担が少なく、回復期間(ダウンタイム)が短い「ヒアルロン酸注入治療」と「ボツリヌス治療」について、竹内 先生に詳しく教えていただきました。

ヒアルロン酸注入治療

私たちの体内に広く存在する物質であるヒアルロン酸を体組織に注入する治療です。一般医療では関節や目の治療でも選択されています。(1)

さまざまな肌悩みにアプローチしやすく、使用する部位や目的に合わせて、硬さや材質の違うさまざまな種類の製材を使い分けています。

治療後から効果を実感しやすいことが魅力で、美容医療の初心者は取り入れやすい治療といえるでしょう。

・ヒアルロン酸注射でアプローチできるお悩み(1),(4),(5)

ヒアルロン酸注射でアプローチできる部位はゴルゴライン、ほうれい線、マリオネットライン、フェイスライン、あご、目の下の小じわやたるみの陰影によるクマ、ボリューム不足による頬のコケ、肌の乾燥、唇のボリューム不足

ボツリヌス治療

筋肉の緊張をほぐす作用があるボツリヌストキシンを注入する治療です。筋肉がリラックスした状態になることで、眉間や目尻、口元などの表情じわにアプローチすることができます。(8),(9)

ボツリヌストキシンは、一般医療でも重度の腋窩多汗症(わきの多汗症)や眼瞼けいれん、斜視などの治療に使用されています。(9)

治療のなかでも比較的リーズナブルなのでトライアルしやすいことが魅力の一つです。また、ヒアルロン酸注入治療と役割が違うので、併用して治療することも多くあります。
※併用治療の有効性・安全性、またどれくらい期間を空けるか等は検証されておりません

さまざまな美容クリニックがあるので、実際にカウンセリングへ行き、納得できるまで話し合える医師と最適な治療プランを検討してください。

参考文献
(1)古山 登隆:解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法:メディカルレビュー社.2020.
(2)白壁 征夫:BellaPelle.2017;2(4);14-17.
(3)今山 修平:BellaPelle.2017;2(2);16-19.
(4)KM Kapoor,et al.:Clin Cosmet Investig Dermatol.2021;14:1105-1118.
(5)一瀬 晃洋:美容皮膚医学 BEAUTY.2020.3(1):22-27
(6)鈴木 芳郎:BellaPelle.2017;2(4);24-29.
(7)黄 聖琥:BellaPelle.2017;2(4);18-23.
(8)古山 登隆,井上 香:美容皮膚医学 BEAUTY.2020;3(6);45-54.
(9)古山 登隆,海野由利子,砂川恵子,青木和香恵:目もとの上手なエイジング―眼瞼下垂から非手術的美容医療,エイジング世代のメイクアップまで―.全日本病院出版会,2021.

監修・取材協力

エースクリニック 理事長 竹内 孝基 先生

エースクリニック 理事長 竹内 孝基 先生

大阪大学医学部卒業(1997年)。大阪大学医学部附属病院、大阪府立病院(現大阪府立急性期・総合医療センター)、大塚美容形成外科を経て、2010年エースクリニックを開設。

日本美容外科学会専門医/ウルセラ認定医/サーマクール認定医/ミラドライ認定医/ボトックスビスタ施注資格/ジュビダームビスタ施注資格

エースクリニック 名古屋院・アネックス院

住所:名古屋市中村区名駅4-10-25 名駅IMAIビル3F(名古屋院)・6F(アネックス院)

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