「ダイエットしてもやせられない」という場合、アプローチの仕方が間違っているのかもしれません。太ったりやせたりする原因は、脂肪細胞にあります。美しい体型づくりを目指している方は、まずは脂肪細胞についてしっかりと理解しましょう。

脂肪細胞の特徴、脂肪細胞とダイエットの関係、脂肪細胞の数を減らしてやせることができる「部分やせ治療」について解説します。

脂肪細胞の特徴

脂肪細胞は、人間にとっては欠かせない組織の一つでもあります。しかし脂肪細胞が大きく膨らみすぎると、体型が崩れたり病気になりやすくなったりします。なぜそのようなことが起きるのでしょうか。まずは、脂肪細胞の特徴について解説します。

脂肪細胞とは

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脂肪細胞の役割は、血液中の余分な脂質や糖を取り込み、エネルギーとして蓄えることです。そして、脂質や糖質を蓄えた脂肪細胞はどんどん大きくなり、丸く膨らんでいきます。脂肪細胞に蓄えられた脂肪は、体温の維持や内臓の位置を正常に保つなど重要な働きを担っています。しかし、脂肪細胞が大きくなりすぎるのは好ましいことではありません。

肥大化した脂肪細胞からは、体に悪影響をおよぼす物質が多く分泌されるようになるため、動脈硬化や高血圧、糖尿病などにかかるリスクが高まります。もちろん、体型にも影響します。

つまり、脂肪細胞は体に欠かせない組織であるものの、大きくなりすぎると健康にも見た目にも悪影響をおよぼす存在なのです。

脂肪細胞の数は変わらない

脂肪細胞の数の変化に関する議論はさまざまありますが、一般的には、生後から思春期にかけて増加していき、20歳前後で安定し始めるといわれています。



では、成人後に脂肪細胞の数がほとんど変わらないのに、どうして人は太ったりやせたりするのでしょうか。それには、脂肪細胞の大きさの変化が関わっています。

太ったり、やせたりは脂肪細胞の大きさが変わるだけ

脂肪細胞は全身に存在しています。人が太ったりやせたりするのは、全身にある脂肪細胞が大きくなったり、小さくなったりすることで、体型や体のパーツそのものの大きさに変化が生じるのが原因です。



食事のカロリーを減らしたり、運動をしてエネルギーの消費量を増やしたりすると、全身の脂肪細胞は小さくなります。しかし、「胸のサイズを保ったまま、ウエストのくびれをつくる」というように、特定の部位の細胞だけを小さくすることは、基本的にはできません。

美しい体型づくりのポイントは、皮下脂肪を落とすこと

体に蓄積する脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。そして、美しい体型を目指すためには、内臓脂肪ではなく皮下脂肪を落とすのが効果的とされています。 

  • 皮下脂肪

皮下脂肪は皮膚と筋肉の間に蓄えられます。お腹やお尻、背中、二の腕などについた、指でつまむことができる脂肪は、ほとんどが皮下脂肪です。そして、女性は男性に比べて皮下脂肪がつきやすいことが知られています。きれいにやせて理想のスタイルを目指すためには、この皮下脂肪を落とすことに注力するのがポイントです

  • 内臓脂肪 

内臓脂肪は筋肉の下にあり、臓器を覆うようにしてついている脂肪です。こちらは、皮下脂肪のように指でつまむことはできません。内臓脂肪は、さまざまな生活習慣病を引き起こす原因として知られ、男性は女性に比べて内臓脂肪がつきやすい傾向にあります。

脂肪細胞を減らすことは可能?

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健康を維持するためにも、美しい体型を手に入れるためにも、大切なのは脂肪細胞に注目することです。しかし、一般的なダイエットで脂肪細胞の数を減らすことはできません。

脂肪細胞の数を減らす方法として、クリニックで受けられる「部分やせ治療」という選択肢があります。

通常のダイエットで脂肪細胞を減らすのは無理

通常のダイエットでは、脂肪細胞の大きさを小さくすることはできても、数を減らすことはできません。 

運動や食事制限で脂肪細胞の大きさが小さくなり、ダイエットに成功しても、効果は一時的である可能性があります。脂肪細胞の数が減るわけではないため、ダイエットをやめてしまうと脂肪細胞は再び大きくなり、リバウンドしてしまいます。

脂肪細胞を減らすなら、部分やせ治療が効果的

脂肪細胞の数を減らしたい場合、クリニックで「部分やせ治療」が効果的です。 

部分やせ治療であれば、一般的なダイエットでは難しい特定の部位の脂肪細胞のみを減らすことができます。治療後、急激に太ることがなければ、長期的な体型維持もしやすいでしょう。 

脂肪細胞の数を減らす4つの部分やせ治療

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脂肪細胞の数にアプローチする部分やせ治療は、おもに以下の4つに分類されます。方法は、メスや注射を使うものから、機器を使うものまでさまざまです。

4つの部分やせ治療について、ご紹介します。

脂肪吸引

脂肪吸引では、メスで皮膚を数mm切開し、専用の細い管を皮膚の下に入れて、脂肪細胞を吸引します。この方法では、大きな部位を一度に治療することが可能です。

脂肪溶解注射

脂肪溶解注射では、少量の薬剤を皮下に注射して気になる部分の脂肪を溶かします。顔などの小さなパーツの部分やせに向いていますが、効果には個人差があり、部位によっては複数回の治療が必要となります。

脂肪冷却治療

脂肪冷却治療は、「低温に弱い」という脂肪の特性を利用した治療方法です。専用の器械で気になる部分を冷却して脂肪細胞を結晶化することで体外に排出させ、その部分の脂肪細胞の数を減らします。

加熱治療

加熱治療は、専用の器械で皮下脂肪を温めることで、皮下脂肪を分解し徐々に減らす治療方法です。代表的なものとして、高周波(ラジオ波)治療があります。 

なお、器械を用いた治療の場合には、厚生労働省の承認を受けている器械かどうか確認するようにしましょう。厚生労働省の承認は、国による厳しい審査を受け、品質および日本人における有効性と安全性が認められて初めて受けられるもので、治療を受ける際の重要な判断基準になります。 

クリニックのホームページなどに記載されている場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

脂肪細胞は、体温の維持や内臓の位置を保つなど重要な役割を果たす組織です。しかし、脂肪細胞が脂質や糖質を蓄えて肥大化すると、健康面でも美容面でも悪影響は避けられません。美しい体型を目指すためには、皮膚と筋肉の間に蓄積する皮下脂肪を適度に落とすことが重要です。 

一般的なダイエットでは脂肪細胞を小さくすることはできても、数自体を減らすことはできません。脂肪細胞の数を減らしたい場合は、クリニックで部分やせ治療を受けることを検討しましょう。 

部分やせ治療にはさまざまな種類があり、やせたい部位や範囲、傷が残るかどうかといった点や、ダウンタイムなどにも配慮する必要があります。部分やせ治療を希望する際には、クリニックでのカウンセリングをしっかりと受け、納得のいく方法で治療を受けるようにしましょう。 

監修

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KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科入局、内科医として大学病院、一般病院にて臨床経験を積んだ後、都内某美容クリニックに入職し、レーザー治療、注入療法の美容医療全般を学び美容皮膚科医としての臨床経験を積む。2014年、日比谷・有楽町に自身のクリニックを開院し、現在に至る。日本内科学会認定医、サーマクール認定医、アラガン社ボトックス・ヒアルロン酸注入指導医。患者様に提供する美容医療は、自分自身で体験し評価する。メスを使わない痩身治療とメスを使わない自然で美しい若返りを叶える注入治療の2つの治療を得意とする。