近年、環境変化や、日々のストレス、精神的な緊張が原因による肌トラブルが増えているそうです。そこで、千春皮フ科クリニック 院長の渡邊 千春 先生と美容ジャーナリストの鵜飼 香子さんに世代別のお肌の悩みや、ケア方法のポイントを教えていただきました。
監修・取材協力:
渡邊 千春 先生(千春皮フ科クリニック 理事長・総院長)
鵜飼 香子 さん(美容ジャーナリスト)
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近年、環境変化や、日々のストレス、精神的な緊張が原因による肌トラブルが増えているそうです。そこで、千春皮フ科クリニック 院長の渡邊 千春 先生と美容ジャーナリストの鵜飼 香子さんに世代別のお肌の悩みや、ケア方法のポイントを教えていただきました。
監修・取材協力:
渡邊 千春 先生(千春皮フ科クリニック 理事長・総院長)
鵜飼 香子 さん(美容ジャーナリスト)
今回20代~40代の女性を対象に「顔周りの肌悩み」についてアンケート調査(※)を実施したところ、各世代によって肌悩みにも変化があるようです。
続いて、肌悩みに対するケアの満足度を聞いてみたところ、年齢が上がるとともに満足度が低いことがわかりました。
20代は「現状のケアへの満足度は約40%」という回答。若年層は日頃のスキンケアに加え、食生活にも気を遣い、マッサージなどのセルフケアにも関心が高い傾向。
一方30代の満足度は大幅に減り、25%という結果に。年齢と共に肌悩みは変化しているものの、新しいケアを取り入れたり、定期的な見直しをしていない人が半数以上という結果でした。
最後に40代の満足度は18%と、全体の8割以上の方が満足していないということがわかりました。また、現状ケアに物足りなさを感じてはいるものの、新しいケアを取り入れるには戸惑いがあることも、アンケートから読み取れます。
渡邊先生:若い時は肌自体に水分が十分にあり、細胞分裂も活発です。また、コラーゲンが肌をサポートしてくれるので、基本的なスキンケアを行っていればトラブルは起こりにくいですが、年齢を重ねると、肌の水分量が減り、表皮も薄くなります。コラーゲンやエラスチンが減り、弾力性も失われ、ハリがなくなってくるのも特徴です。その状態で若い頃と同じようなケアだけを続けていると、肌悩みはさらに深刻化してしまいます。
また、間違ったスキンケアにより逆に肌トラブルを起こすこともあり明らかな炎症がある場合は皮膚科へ通う方が多いですが、微小な炎症をそのままにしてしまうことが肌悩みの原因になることも。例えば、洗い過ぎや肌のこすり過ぎ、栄養の与えすぎなど自己流のケアが実は肌トラブルの原因になることがあるためこじらせてしまう前に早めに医師への相談も大切です。
各世代の肌悩みがわかったところで、ここからは自分にあったケアの選び方について教えてもらいましょう。鵜飼さんによると、肌悩みへのアプローチ方法も年代によって特徴があるようです。
鵜飼さん:スキンケアにおいては、どの世代もしっかり行っている印象ですが、とにかく摩擦をかけないこと、そして、使用するケア用品の使用量はたっぷり使うことが重要です。
世代別の特徴として、今の20代は失敗したくない、すぐに結果を求める傾向があり、さらに、デジタルネイティブなので常に新しい情報や、人のオススメを取り入れるのがとても上手。一方、40代は悩みが複合化して、どこから手を付ければいいかわからないと悩んでいる人が多いですね。
私は各世代の特徴や傾向から、20代は「コスパ世代」、30代は「パーソナル世代」、40代は「コンプレックス世代」と呼称しています。
20代のコスパ世代は、人から聞いたものを素直に受け入れる「柔軟性」のある世代なので、SNSなどから情報を取り入れ、マネをして自分に取り込んでいくことがとても自然で上手です。そのため、自分の肌質や生活スタイルに近い方のオススメを取り入れるといいですね。
次に、30代のパーソナル世代は、ライフステージや自分を取り巻く環境も変化し「今の自分に似合うもの」を知りたいと考える層。今の自分に必要なものを的確に欲する世代ですね。パーソナル診断などを活用するのも◎。
最後に、40代は複合的に悩みを抱えていらっしゃる人が多いのが特徴です。一方で、「私のケアはこれ」と決めがちで、新しい方法に挑戦することに躊躇してしまうところもあります。そのため、客観的な意見をうまく取り入れて、挑戦するきっかけをつくることが大切だと思います。
それぞれの悩みに対して情報を収集したり、様々な方法を試しながらも、「このまま自己流ケアでいいの?」と不安を感じる方も多いはず。そんな時は、美容医療を検討することも選択肢のひとつのようです。
美容医療と聞くと、「興味はあるけど、はじめ時がわからない」「今の自分にはまだ早いかも」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、渡邊先生と鵜飼さんに美容医療の最新事情やはじめ時を伺いました。
鵜飼さん:私も職業柄、エステや美容機器、美容医療など今まで多くの手法を取り入れてきましたが、今は美容医療で定期的にケアしながら、日々のスキンケアを大切にしています。また美容医療に通う目的のひとつは、専門の医師にリアルな自分を診てもらい客観的なカウンセリングをしてもらえること。美容医療はなりたい自分への近道でもあり、中長期的に考えれば、お肌にもお財布に優しい選択肢のひとつだと思います。
渡邊先生:最近では若い人でも美容医療に関心が高く、ニキビや毛穴ケアのために通院される人が増えています。また、スキンケアをしっかりしていても、年齢と共にしわやシミ、たるみなど悩みが出てくることは自然なこと。今、肌悩みがあるなら、まずは専門の医師に診察してもらい、正しい治療やケアをアドバイスしてもらうことが重要です。
最初は緊張されるかもしれませんが、私は施術前にしっかりヒアリングを行い、患者さんのゴールと経済的なバックグラウンドを考えながら、その人に合った治療法を提案します。また、むやみに美容医療をオススメするのではなく、スキンケアで改善できる点は合わせて指導も行っています。
鵜飼さん:美容医療と聞くと、レーザーでシミを取ったり、しわに注射をしたりするイメージがあるかもしれませんが、美容医療の範囲は広がっています。実は美容医療は低年齢化してきており、脱毛やニキビケアで通っている10代の人も増えているそうです。肌悩みを抱えて、人の目が気になる、気持ちが沈んでしまうという方にとって、美容医療は「心のケア」になるとも言えますね。
自分のモチベーションや、生活のクオリティーも上げてくれる美容医療が、より多くの女性の身近な存在になればいいですね。
渡邊先生:肌の美しさは自信に繋がりますよね。私は、美容医療は自分自身への投資であり、その投資はご自身の人生をサポートしてくれると考えています。きれいな肌で一生過ごすためへの投資と思えば、美容医療をはじめる価値はあると思います。
美容ケアとして、月に1回ヘアケアやネイルケアは行っているのに、肌のケアは自己流のスキンケアだけになっていた、そんな人も多いのではないでしょうか?
もし今肌悩みを抱えているなら、美容医療を取り入れることで、もっと好きな自分になれるかもしれません。そこで鵜飼さんに美容医療の上手な取り入れ方を伺いました。
鵜飼さん:美容医療を取り入れることは中長期的に見れば時短につながり、忙しい現代人にとっての強い味方だと考えています。美容院やネイルサロンに通うような感覚で気軽にカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。今までの自己流ケアではなく、専門の医師に肌悩みなどを聞いてもらい、適切なケアをアドバイスしてもらうことができますよ。
では信頼できる医師や、クリニックを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。
渡邊先生:私が考えるクリニック選びのポイントは、ニーズを聞いてくれる、説明をしっかりしてくれる、料金が明確なことです。入口は良心的な価格だったのに、次第に高額になった…という場合もあるので、はじめにきちんと説明を聞きましょう。また、クリニックの雰囲気や医師の共感力も大事。実際に医師と話してみた雰囲気や、共感してもらえるポイントがあるかどうかも重要ですね。安心して相談できるクリニックがみつかるまで、しっかり探してみてくださいね。
鵜飼さん:私はカウンセリングの際、自分が行き過ぎた治療をしてしまいそうな時に、ストップをかけてくれる先生の存在も大事だと考えています。また、「私の場合、どうしたらいいでしょうか?」という漠然とした質問にも丁寧に答えてくれたり、わからないことには理解するまで説明してくれたりする先生も大事ですね。
顔周りの肌悩みは、一度見つけるとつい気になってしまうもの。今肌悩みがある人は、ぜひ信頼できる医師を探してカウンセリングから始めてはいかがでしょうか。
理想の自分に近づくことができれば、毎日をもっと楽しく明るく過ごせるかもしれません。
※「肌悩みと体型に関するアンケート」調査概要
マイナビウーマン調べ
調査対象:20~40代の女性 有効回答数636名
調査期間:2022年8月19日~8月22日
調査方法:WEBアンケート
東京医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科勤務。その後、板橋中央病院皮膚科医長、東京医科大学皮膚科助手、肌クリニック大宮、肌クリニック大宮ベルビー赤坂の院長を経て、千春皮フ科クリニックを開院。
医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー専門医、日本レーザー医学会・評議員、日本胎盤臨床医学会理事会、日本臨床皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員、日本美容皮膚科学会員
千春皮フ科クリニック
住所:〒330-0055 埼玉県さいたま市浦和区東高砂町9-1 SUMIDA ONE本館 5F
美容雑誌MAQUIAの編集者を創刊から務め、現在は、anan、クロワッサン、BAILA、MORE、otonaMUSE、&ROSY、ar、CLASSYなど各メディアで美容アドバイスを行う。MBA(経営管理修士)の視点からブランドマネジメントや大学での講義なども行なっている。二児の母。