――シミができる前に予防する方法を教えてください。
多くの方が悩まれるシミの代表格「老人性色素斑」は、紫外線対策が何より重要です。
紫外線対策として大切な順に
(1)避ける
(2)覆う
(3)塗る
があります。
「日陰を歩く」「日傘をさす」「紫外線が強い10~15時台の外出を減らす」などの紫外線を避けるアクションや、帽子や手袋などで肌の露出部を覆う対策を基本に、日焼け止めを活用しましょう。
また、日焼け止めを手のひらでサッと塗っただけでは、必要量の数分の1程度しか塗れていないという論文もあります。しかも、2~3時間すると効果が薄れてくるので、日焼け止めは規定量をきちんと塗り、小まめに重ねて塗り直すことが大切です。塗り方としては、肌にすり込むのではなく、のせるように塗ることを心がけましょう。
――そのほかに、先生おすすめの日焼け対策はありますか?
ビタミンCの摂取です。普段から野菜やフルーツなどでビタミンCが十分とれている方はサプリメントを無理に飲む必要はありませんが、栄養バランスに自信のない方はサプリメントを取り入れるのも一案です。
日焼けをしてしまった時のビタミンCはできるだけ早期に飲むことが大事です。私の場合は、レジャーやドライブなどの日焼けのリスクが高い日の前日・当日・翌日にビタミンCを高用量で飲んでいます。
日焼けをした日は1回2000㎎を朝晩2回飲みます。ビタミンCは「水溶性」なので、一度に多く飲んでも尿から排泄されてしまう性質があるため、分けて飲むことをお勧めします。
日々ビタミンC不足を実感している方は毎日2000㎎程度のビタミンCサプリを飲んで、日焼けをしてしまった時に増量して対応するのがよいと思います。
――最近話題の、リポソーム型ビタミンCについて教えてください。
リポソーム型ビタミンCは、ビタミンCをリン脂質(脂)でできた球状のカプセル(リポソーム)の中に閉じ込めたものです。一般的な水溶性のビタミンCよりも吸収率が高い上、体の中に長くとどまってくれるのが特徴です。水溶性の欠点を克服したビタミンCと言ってもいいかもしれませんね。
――最後に、シミに悩む方々にアドバイスをお願いします。
一度できてしまったシミを自宅でのスキンケアで消すことは難しいので、まずはシミを作らないための予防を徹底することが大切です。
また、シミは種類の自己判断が難しく、治療をするにも専門的なアプローチが必要です。「今あるシミを消したい」という方は、自己判断でケアせず、医療機関を訪ねてみると的確な診断と治療を受けられると思います。
ご自身の納得のいく美肌を目指すためにも、普段のシミ対策を見直しながら、必要に応じて美容クリニックを訪れてみてはいかがでしょうか。