「唇の縦じわが増えた気がする」「唇の縦じわを改善する方法はある?」など、唇の縦じわに悩む方は多いでしょう。
唇に縦じわが増えると、年齢を感じさせるサインになるだけでなく、リップがにじんでメイクが楽しめないといったお悩みにもつながります。
本記事では、秋葉原スキンクリニックの堀内 祐紀 先生に、唇の縦じわができる原因や、ふっくらと丸みのある唇へ改善する方法について解説いただきました。
監修・取材協力:堀内 祐紀 先生(秋葉原スキンクリニック 院長)
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「唇の縦じわが増えた気がする」「唇の縦じわを改善する方法はある?」など、唇の縦じわに悩む方は多いでしょう。
唇に縦じわが増えると、年齢を感じさせるサインになるだけでなく、リップがにじんでメイクが楽しめないといったお悩みにもつながります。
本記事では、秋葉原スキンクリニックの堀内 祐紀 先生に、唇の縦じわができる原因や、ふっくらと丸みのある唇へ改善する方法について解説いただきました。
監修・取材協力:堀内 祐紀 先生(秋葉原スキンクリニック 院長)
目次
唇の縦じわが現れると、疲れて見えたり、不健康に見られたりと見た目に影響を及ぼします。
また唇の縦じわは、加齢によって増えていく(1)ので、年齢を感じさせるエイジングサインの一つともいえるでしょう。
縦じわの多い唇は口紅を塗った際に色がにじみやすく、輪郭がぼけたような印象になる(2)ため、「リップがうまくひけなくなった…」と感じるのは、もしかしたら唇の加齢が原因かもしれません。
唇に縦じわが現れる主な原因は、老化と、乾燥や紫外線ダメージなどの要因による炎症が考えられます。
若い頃は炎症が起きてもすぐに回復できますが、加齢とともに炎症の回復が遅くなり縦じわにつながっていくのです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
私たちの唇は年齢を重ねるにつれ、縦じわが増え、形も横に広がり薄くなっていきます。(1),(3)また、唇だけでなく口の周りに放射状のしわができるのも特徴です。(1)
唇の形が変化する理由としては、加齢によって口周りの骨が縮むことや、筋肉の衰え、脂肪の減少などが挙げられます。また、紫外線による影響や、歯の欠損、喫煙による影響も見逃せません。(1)
老化によって唇の縦じわができるのは、どれか一つの要因によるものではなく、複数の要因が関わっているといえるでしょう。
唇には少数の皮脂腺も汗腺もないとされています。(3)
また、皮膚自体が非常に薄く、とてもよく動く部位であるため、乾燥しやすい状況下にあります。
とくに空気が乾燥する冬場や、エアコンで空気が乾燥している室内では、唇の乾燥が進みやすくなります。
また、マスクをしていると、マスク内が蒸れることで唇の皮膚がふやけます。ふやけた唇はバリア機能が非常に低下しており、皮膚の水分が外に逃げやすくなったり、摩擦に弱くなったりしています。
唇は肌よりも紫外線の影響を受けやすいデリケートな場所です。(2),(4)
唇は紫外線を受けたときに肌を守るメラニン色素が、皮膚に比べて少ないため、紫外線による影響を受けやすいのではないかとされています。(4)
紫外線は皮膚の質感に関係するコラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。(6)長時間、対策せずに紫外線にさらされた唇は、ハリや弾力が減り、縦じわが増えてしまう可能性があります。
唇を美しくするためのリップが、唇の乾燥やガサつきを招き炎症につながっている場合もあるでしょう。
例えばティントリップと呼ばれる染料を使ったリップの中には、唇の水分を減らしたり、角質が増えて皮むけにつながってしまったりする(6) ものもあります。
また、リップに使われる赤の着色料が合わず何を使っても荒れてしまう(7),(8)という方は、リップを止めるのも大切です。
唇の縦じわを増やしてしまう要因としては、食べ物による影響も考えられます。
辛い食べ物や塩分の多い食べ物をたくさん食べると、唇に刺激を与え、炎症や乾燥を引き起こします。また、パイナップルや生野菜などの酵素が多く含まれる食材は、たんぱく質を壊す性質があるため、唇が荒れて縦じわの要因となる可能性があります。
また、酸性の強いレモンも同様に炎症につながる可能性があるため、刺激の強い食事や食材の摂りすぎに注意が必要です。
唇の炎症を起こし、縦じわにつながる要因としては、クレンジングや歯磨き粉などの成分にも隠れているとされています。
唇は外部からの刺激を受けやすい部位であるため、クレンジングの洗浄力が強いと、唇の炎症につながることがあるかもしれません。
また、歯磨き粉の成分によっては、発疹などの異常が現れる可能性もあるので、唇や口周りに違和感が生じたときは使用を中止しましょう。
唇を舐めたり皮をむしったりする物理的刺激によって、唇が荒れてしまい縦じわにつながる可能性があります。
唇が乾燥していると、唇を舐めて潤いを補いたくなりますが、唾液によって皮むけがしやすくなり、皮をむしってさらに唇が荒れるという悪循環につながる(9)ため注意が必要です。
せっかくリップクリームなどで保湿をしても、物理的刺激によって保湿成分が取れてしまうとなかなか乾燥が改善しないため、唇を舐めたくなったらリップクリームを塗るなどこまめに対策しましょう。
唇は肌よりもターンオーバーが早い(10)ので、毎日こまめにケアすることが重要です。
自分でできる唇の縦じわケアのポイントをしっかり押さえて、健康的で艶のある唇を保ちましょう。
唇ケアの基本中の基本は保湿です。保湿・保護機能をもつリップクリームやリップ美容液、リップ下地を利用して、唇の潤いを保ちましょう。(1)
保湿力の高いセラミド、コラーゲンやヒアルロン酸などが配合されたリップクリームやリップ美容液がおすすめです。
唇は非常にデリケートな部位です。自分に合わないなと思う製品はすぐ使用を中止しましょう。
唇が乾燥して皮がめくれるような状態であれば、角質除去作用のあるスクラブを優しく塗って、余計なカサカサの皮膚を取り除きましょう。
スクラブを使用する前に軽く唇を湿らせ、適量のスクラブを指に取り優しくマッサージします。スクラブがなじんで滑らかな感触になったら、しっかりと洗い流しましょう。
スクラブケアが終わったら、保湿成分の配合されたリップ美容液を塗って唇に潤いを与えましょう。仕上げにリップクリームを使い、水分を閉じ込めることも忘れずに行いましょう。
なお、スクラブは唇専用のものを使ってください。唇用のスクラブの多くはシュガースクラブや天然成分の優しいものがほとんどです。しかし、使用方法を間違うと、ケア自体が唇トラブルの原因になることもあるので過度に摩擦をするようなことは避けましょう。
唇を紫外線から守ることは、非常に重要です。
唇には紫外線カット効果のあるリップクリームなどをこまめに塗り、唇の周りにも日焼け止めを忘れずに塗ってください。帽子をかぶる・日傘をさすなどの紫外線対策も併せて行いましょう。
唇はデリケートな部分ですので、辛い物や塩味の強い食べ物は避けるようにしましょう。
また、酵素が豊富に含まれるパイナップルや生野菜、酸性の食べ物であるレモンなどの摂りすぎは、唇の炎症を引き起こす可能性があります。
特に唇に炎症が起きているときに刺激の強い食事を摂ると、痛んだりしみたりすることもあるため、摂取は控えるべきです。
どんな口紅を使っても唇が荒れてしまったり、縦じわが悪化するという方は、口紅の使用を控えるのも大切です。
口紅を塗った際に、ヒリヒリ感やかゆみ、赤み、皮がむけるなどの症状が現れるのは皮膚炎の可能性もあります(11)ので、症状が気になる方は、医療機関へ受診しましょう。
唇の縦じわの予防や悪化防止は、セルフケアである程度取り組めますが、できてしまったしわを改善するのは難しいものです。
早期に改善したい、ハッキリとした効果が欲しいという場合は、美容医療を選択肢に入れてみるのもよいでしょう。
唇の縦じわ改善に有効とされる美容医療には、以下のようなものがあります。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません
今回は唇の縦じわの改善はもちろん、減ってしまったボリュームを補ってくれるヒアルロン酸注入治療について紹介します。
ヒアルロン酸注入治療は、唇にヒアルロン酸と呼ばれる成分を注入することで、縦じわを改善したり、唇のボリュームアップができるでしょう。(1)
唇へのヒアルロン酸注入治療を行う際は、どんな唇を目指したいか医師と相談しながら、注入量や注入位置を調整するのが大切です。
唇は、その人の印象にとても大きな影響を与える重要なパーツです。
唇を美しく健康的に保つことは、その人の魅力を上げコミュニケーションを円滑にします。しかし、皮膚が薄くデリケートな唇のケアは意外と難しいものです。
縦じわが気になる場合は、保湿や紫外線対策を心がけ、定期的にスクラブで角質ケアをしましょう。
また、縦じわの原因の中には、自分でも気づいていなかった加齢による影響も考えられるため、セルフで解決することが難しい場合は、美容医療を選択肢に入れ、医師へ相談するのもひとつの手です。
なお、唇の皮むけやヒリヒリ感、赤みなどが続く場合は、医療機関にご相談ください。
参考文献
(1) 美容皮膚医学 BEAUTY Vol.4 No.11. 医学出版. 2021.
(2) 日本化粧品技術者会 口紅 [lipstick、 rouge]
(3) 安森 春子,田村 英子,塚原 和枝,井上 弥生,山本 隆斉:日本化粧品技術者会誌. 2019;53(4);287-296.
(4) 永瀬 憲一,安藤 靖子,広瀬 統, 岡田 富雄,玉置 育代,花田 邦和,小西 宏明:日本化粧品技術者会誌. 1991;25(1);21-26.
(5) 美容皮膚医学 BEAUTY Vol.3 No.12. 医学出版. 2020.
(6) Ji-Hee Cho,Hae Jeong Youn,Kyu Joong Ahn,In-Sook An,Hyunjoo Han:Kor J Aesthet Cosmetol. 2015;13(1);27-34.
(7) 原田 晋,山川 有子,杉本 直樹,穐山 浩:アレルギー. 2012;61(9-10);1538.
(8) 穐山 浩,杉本 直樹:ファルマシア. 2014;50(6);522-527.
(9) 友木 依里子,関東 裕美,辻 行貴:日本化粧品技術者会誌. 2018;42(1);1-8.
(10) 新井 清一,押田 久美子,引間 俊雄,蓮沼 喬太郎:香粧会誌. 1989;13;64–68.
(11) 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」
東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学皮膚科学教室入局後、都内皮膚科・美容クリニック勤務を経て、2007年秋葉原スキンクリニック開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本脱毛医学会理事。日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本レーザー医学会・日本抗加齢医学会・日本香粧品学会 所属。Allergan Medical Institute Japan Faculty。一般社団法美容皮膚エキスパート協会代表理事、Aesthetic Medical Academy理事。保険治療だけでなく美容治療を各種取り揃え、さらに肌を良くしたい!という気持ちを叶えるために、エビデンスのしっかりとした治療を、自信を持って届ける。
秋葉原スキンクリニック
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