世界中で実績のある脂肪冷却治療。部分やせが期待できることやメスを使わない治療であることから日本でも人気が高まり、日々治療できるクリニックが増えています。脂肪冷却治療は、その名前の通り「脂肪を冷却」することで痩身効果をねらうものですが、なぜ冷やすことで脂肪にアプローチでき、部分やせが期待できるのでしょうか。

脂肪冷却でやせる仕組みや効果、治療前に知っておきたいメリット・デメリットを分かりやすくご紹介します。

脂肪冷却でやせる仕組みとは?

脂肪冷却による痩身(そうしん)効果は、科学的に証明されているものです。詳しくご説明します。

冷やしてやせるメカニズム

脂肪冷却治療は、「水分は0℃で凍るのに対し、脂肪は4℃で結晶化し始める」というハーバード大学による研究から生まれた治療です。



人間の体では、冷やされた脂肪細胞は、結晶化し体外に排出されることがわかっています。この研究を部分やせ治療に応用し、ねらった箇所の脂肪細胞を適切な温度で冷やす器械が開発され、世界中で脂肪冷却治療が行われています。

脂肪冷却治療では、どのように脂肪が減る?

脂肪冷却治療は、施術する部位を専用の器械で吸引・冷却しながら、脂肪細胞だけを結晶化していきます。

1. 脂肪を吸引・冷却

ねらった部位の脂肪を専用器械で吸引しながら、35分~75分程度冷やします。

2. 脂肪細胞が結晶化

器械に吸引され、冷やされた脂肪細胞のみが結晶化します。

3. 結晶化した脂肪細胞が自然排出される

結晶化した脂肪細胞は機能しなくなり、1ヶ月から3ヶ月かけて、自然に体外に排出されます。

4. 皮下脂肪の厚みが薄くなる

排出された脂肪細胞の分だけ、皮下脂肪の厚みが薄くなります。また、脂肪冷却治療は、ねらった部分の皮下脂肪のみを減らすことができ、脂肪細胞の数は再度増加することはないため*、リバウンドもしにくくなります。

*急激な体重増などがある場合を除きます。

脂肪冷却治療のメリット

脂肪冷却治療は、世界中で使用されている安全な治療です。また、メスや注射を用いることなく部分やせを実現することができます。

安全性と有効性が認められている

脂肪冷却治療に用いる器械は、基本的に日本の厚生労働省やアメリカのFDAといった政府機関による審査で安全性と有効性が認められたものを使用します。脂肪冷却治療は、これまでに世界80カ国以上で1100万回以上行われている治療です。(2021年5月時点)。

脂肪冷却治療は、部分やせが可能

ねらった箇所にピンポイントでアプローチできる治療のため、お腹やわき腹はもちろん、ノースリーブで気になる二の腕、ブラジャーからのはみ肉、スキニーパンツを着こなす時に気になる内ももや外もも、お尻の下のお肉の他、背中、ひざ上のお肉など、さまざまな箇所の部分やせがねらえます。

ドレスを着るので背中まできれいに見せたいという人や、スカートから出るひざをすっきりさせたい人など、需要に合わせて気になる部分にピンポイントでアプローチできます。

また、脂肪冷却治療によって一度減らした脂肪細胞の数は、治療後、再び増加することはないため、リバウンドしにくい点も嬉しいポイントです。

 

メスを使わないのでダウンタイムが短い

脂肪冷却治療はメスを用いた治療ではなく、脂肪細胞だけを結晶化するため、身体への負担が少ないことも魅力です。施術中は、肌を吸引される感覚や冷たい感覚がありますが、どちらも数分で慣れると言われているので、リラックスして施術を受けられるでしょう。ダウンタイムも比較的短く、日常生活への影響がほとんどない点も魅力のひとつと言えます。

脂肪冷却治療で注意すべき点やデメリット

脂肪冷却治療は、安全性と有効性が認められた部分やせのための治療です。一方で、全身やせには向いておらず、効果が表れるまでに一定の時間がかかります。脂肪冷却治療の知っておくべきデメリットについてもご説明します。

内臓脂肪は減らせない

脂肪冷却治療は、皮下脂肪を冷却し減少させる治療です。肌の外側から専用の器械で脂肪を吸引・冷却します。そのためお腹の中にある内臓脂肪には、効果を発揮できません。

また、脂肪冷却治療は、全身やせを望む場合や体重を減らしたい場合には、向いていないことも知っておきたいポイントです。脂肪冷却治療は、皮下脂肪にアプローチし、部分やせでボディラインを整えることを目的とした治療です。

体重や全身の体型が気になる方は、内臓脂肪にアプローチするエクササイズやダイエットで体重を落とし、その後、メリハリをつけるために脂肪冷却治療で気になる部分の脂肪を減らしていくとよいでしょう。

効果が表れるまで数カ月かかる

脂肪冷却治療により結晶化された脂肪細胞は、時間をかけて徐々に排出されていきます。そのため、施術後すぐに効果を実感できるものではありません。一般的に効果を実感できるまでに数週間から数カ月ほどかかります。

施術後のピリピリ感や赤み

施術後に、吸引による赤みやピリピリ感がみられる場合がありますが、時間と共に軽減し、数日から一週間ほどで治る場合がほとんどです。施術後は、むやみに施術箇所を触ったり、温めたりしないようにしましょう。

まとめ

メスを使わず、冷やすことで部分やせが叶う脂肪冷却治療。

クリニックによって脂肪冷却治療に用いる器械はさまざまなので、事前にどのような器械か確認しておくことが大切です。厚生労働省から承認を受けたものであることが重要な判断基準になるでしょう。また、目指す体型や施術を受けたい箇所などを医師に伝えるだけでなく、あなたのために時間をかけて丁寧な説明をしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。

監修

KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科入局、内科医として大学病院、一般病院にて臨床経験を積んだ後、都内某美容クリニックに入職し、レーザー治療、注入療法の美容医療全般を学び美容皮膚科医としての臨床経験を積む。2014年、日比谷・有楽町に自身のクリニックを開院し、現在に至る。日本内科学会認定医、サーマクール認定医、アラガン社ボトックス・ヒアルロン酸注入指導医。患者様に提供する美容医療は、自分自身で体験し評価する。メスを使わない痩身治療とメスを使わない自然で美しい若返りを叶える注入治療の2つの治療を得意とする。

KUMIKO CLINIC

住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-6-10 スクワール日比谷ビル8(受付)・9F

前の記事へ
次の記事へ