私たちの体や肌は、日々摂取する食べ物からつくられています。
健康的で美しい肌を保つためには、肌によい食べ物を普段の食事でとり入れることが大切です。栄養バランスのとれた食事は、健康的な体を保って病気のリスクを防ぐだけではなく、肌荒れを防いでハリのある肌を手に入れるために欠かせません。
肌によい食べ物や肌荒れ改善、そして健康的なボディを手に入れるための食事方法を紹介します。
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私たちの体や肌は、日々摂取する食べ物からつくられています。
健康的で美しい肌を保つためには、肌によい食べ物を普段の食事でとり入れることが大切です。栄養バランスのとれた食事は、健康的な体を保って病気のリスクを防ぐだけではなく、肌荒れを防いでハリのある肌を手に入れるために欠かせません。
肌によい食べ物や肌荒れ改善、そして健康的なボディを手に入れるための食事方法を紹介します。
目次
ハリのある美しい肌を手に入れるためには、バランスのとれた食生活を心がけることから始めましょう。
肌によいとされる栄養素や食べ物は、意外と身近なものばかりです。食事のちょっとした工夫で、輝くような美肌を手に入れることも夢ではありません。
タンパク質は、肌だけではなく、筋肉、骨などの健康な体づくりの基本となる栄養素です。(1),(2)
鶏のむね肉・ささ身、牛や豚のひれ肉やもも肉、魚、卵、大豆や大豆製品など良質なタンパク質を摂取するのが、美肌づくりの基本となります。(3)
ビタミンA、E、Cなどは、抗酸化作用が期待される栄養素です。(1),(2) 肌をダメージと老化から守り、髪の成長を促すためにも、各ビタミンをバランスよく摂取しましょう。
ビタミンA、E、Cは、以下のような食品に多く含まれています。(1)
アボカド、オリーブオイル、ごまやアーモンド、マカダミアナッツなどに含まれる脂質には、肌の弾力と潤いを保つ働きがあります。(4) また、健康的な脂質をとると、ウエスト周りにたまった脂肪を減らすという、嬉しい効果が得られることもあります。(5),(6)
「ニキビや肌荒れの原因になるのでは?」と感じる方も多いかもしれませんが、適量の良質な脂質は美肌のために欠かせない栄養素の一つです。
脂肪酸は、肌のしなやかさやしっとり感を保つために欠かせません。(7) また、抜け毛を減らし、髪の成長を促進する効果もあります。(8)
脂肪酸のなかでも、とくに重要なのがオメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸は細胞膜の材料となる成分ですが、人間の体内でつくることができない必須脂肪酸であるため、食事から摂取する必要があります。(2) よって、オメガ3脂肪酸を組み込んだバランスのよい食生活を送ることが大切です。
オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸は、あまに油(亜麻仁油)やえごま油に多く含まれています。また、サバやイワシなど青魚に多く含まれるEPAやDHAも、オメガ3脂肪酸の一種です。(9)
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があることをご存じでしょうか。(10)
水に溶けにくい不溶性食物繊維は、便量の増加や腸の蠕動運動を促すのに役立つ成分です。
一方、水溶性食物繊維は、消化管のなかをゆっくり移動するため満腹感が長続きします。血糖値の急上昇やカロリーの吸収を抑えるのも、水溶性食物繊維です。腸内環境を整え、肌トラブルを抑える効果も期待できるため、美しい肌を目指すならば積極的にとるべきでしょう。
水溶性食物繊維は、昆布、わかめ、ひじきなどの海藻類のほか、こんにゃく、里芋、果物、豆類、大麦、オーツ麦、亜麻仁、アボカドなどに多く含まれています。(10)
発酵食品も、肌と体の健康に欠かせない食べ物です。
納豆やヨーグルト、ケフィア、ピクルスのような発酵食品には、お腹まわりの脂肪と体重の増加を防ぐ可能性のある善玉菌が含まれています。(11) 善玉菌で腸内環境が整ってくれば、肌トラブルも減ってくるでしょう。(12)
全粒穀物、未加工肉、乳製品、果物、野菜など、人の手があまり加えられていない食品は、スナック菓子などの加工食品に比べて「ついつい食べすぎてしまう」といったリスクが低い食べ物です。(13),(14)
したがって、未加工食品を日々の食事にうまくとり入れれば、健康的な美肌を保つ効果が期待できるかもしれません。
質の悪い食生活は、疲労感や憂うつ感、不安感をもたらす可能性があるのに対し、健康な食生活は、体だけではなく心の健康にも役立つことが明らかになっています。(15)
健康的な食生活によって得られるおもなメリットは、以下の通りです。
疲労感やストレスを感じたときは、不健康なスナックや飲み物に手を伸ばす代わりに、以下のような食べ物を口にしてみてください。
色鮮やかな果物と野菜には、ストレスに対処するために役立つ抗酸化物質やビタミンが豊富に含まれています。(1),(2),(9) エネルギーをゆっくりと放出する複合糖質も含まれているため、活力と上機嫌を一日中キープするのにも役立つでしょう。
ニンジンやケールなどの緑黄色野菜、ビタミンEを含むかぼちゃやアボカド、ビタミンCが豊富なリンゴなどの果物類、ミネラルもとれるバナナなど、選択肢はさまざまです。積極的に果物や野菜を食生活にとり入れ、心身の健康を維持しましょう。
玄米、オーツ麦、トウモロコシ、ライ麦、キヌアのような全粒穀物には、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが含まれています。(9),(20)
セロトニンは、気分や睡眠の質を高め、心を穏やかに保つ働きを担う脳内ホルモンです。(21) 全粒穀物に含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑えるのにも役立つため、肥満の防止にも効果が期待できるでしょう。(10)
納豆やヨーグルト、味噌、キムチ、コンブチャ、ザワークラウトのような発酵食品には、腸と心の健康を向上させる善玉菌が含まれています。(11)
コンブチャとは、欧米で注目を集めている発酵食品の一つです。(22) 昆布茶ではないのでご注意を。自分でつくれるため、この機会に食生活にとり入れてみるのもおすすめです。
脂の多い魚や甲殻類には、脳の働きをサポートして記憶力と気分を向上させる必須脂肪酸が多く含まれています。(2),(9) サバやイワシのほか、サケやマス、クルマエビなどもおすすめです。
美しい肌や健康的なボディをつくるのに役立つ栄養や食べ物をとることは、それほど難しいことではありません。ここからは、健康的な食生活を実践するための7つのポイントを紹介します。
必要な栄養素をもれなく摂取するために、5つの食品グループに属する食品を毎日とるようにしましょう。(1)
これらはすなわち、肌によい栄養や食べ物ということになります。たとえば、野菜や果物は、抗酸化物質やビタミンを含む食べ物です。穀物食品は、全粒穀物や食物繊維とつながります。豆類、肉類、牛乳などはタンパク質、ナッツや種子類は良質のオイルや脂質をとるために欠かせません。ヨーグルトやチーズは、発酵食品です。
健康的な食事は、美しい肌づくりにも欠かせないことがよくわかります。
食品から得られる重要な栄養素の量は、食品の種類によって異なります。したがって、各食品グループの枠内から、多種多様な食品を楽しむようにしましょう。これは、栄養の偏りを防ぐためにも大切なことです。
人体の約60%は水からできています。そのため、体の機能を正常に保つには、毎日十分な量の水を飲まなければなりません。成人であれば、一日当たり1.2リットル前後を目安に水分を摂取するようにしましょう。(23)
ただし、アルコールや糖分を多く含む飲み物はNGです。一度にたくさんの水を飲むのもおすすめできません。できるだけただの水を、小分けにして飲むようにしてください。
規則正しい食生活を心がけましょう。食生活が不規則になると、飽和脂肪酸や余分な塩分、糖分、アルコールが含まれる食品をとりすぎてしまうおそれがあります。(24)
バランスのとれた健康的な食生活を送るということは、何かを絶対に食べてはいけないということではありません。
たまには自分を甘やかすことも必要です。ごちそうを楽しむことに罪悪感を抱かないでください。体によい食習慣を長く続けるためには、我慢しすぎないことも大切と心得ましょう。
塩分に含まれるナトリウムのとりすぎは、高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクを高め、糖分のとりすぎは肥満と虫歯のリスクを高めます。料理に使う塩の量に注意し、塩分や糖分を多く含むスナック菓子を食べる量を減らしてみてください。(2)
口さみしいときは、果物をおやつ代わりに食べましょう。生の果物は、甘いお菓子の代替品として最適です。
かかりつけ医のいる方は、自分の体質や肌質にあった食事、必要な栄養素について相談してみてもよいかもしれません。栄養士さんに相談してみるのも一つの方法です。
肌によい食べ物は、実は身近なものであることに気付いていただけましたでしょうか。
肌を美しくするさまざまな食べ物をバランスよくとり入れて、美しい肌と心身の健康を手に入れましょう。今までの食生活を見直し、できるところから少しずつ食事の内容を変えていくことがおすすめです。
参考文献
(1) 安田 利顕, 漆畑 修: 美容のヒフ科学 改訂10版: 南山堂. 2021
(2) 厚生労働省: 日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024
(3) 関東労災病院 治療就労両立支援センター : 筋肉の老化を予防する食事. 2023
(4) Nagata C, Nakamura K, Wada K, et al. : British Journal of Nutrition. 103(10): 1493-1498. 2010
(5) James Dinicolantonio, James O'Keefe: Missouri Medicine. 119(1): 69-73. 2022
(6) ScienceDaily: Avocados change belly fat distribution in women, controlled study finds.
(https://www.sciencedaily.com/releases/2021/09/210907110702.htm) (参照 2025-09-25)
(7) McCusker MM, Grant-Kels JM: Clin Dermatol. 28(4): 440-51. 2010
(8) Le Floc'h C, Tosti A, et al. : J Cosmet Dermatol. 14(1): 76-82. 2015
(9) 文部科学省: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
(https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html) (参照 2025-09-25)
(10) 厚生労働省 e-ヘルスネット: 食物繊維の必要性と健康
(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001) (参照 2025-09-25)
(11) 厚生労働省 e-ヘルスネット: 乳酸菌
(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-026) (参照 2025-09-25)
(12) Lee, Y. B., Byun, E. J., & Kim, H. S. : A Comprehensive Review. Journal of clinical medicine. 8(7): 987. 2019
(13) Hall, K. D., Ayuketah, A., Zhou, M, et al. : Cell metabolism. 30(1): 67-77. e3. 2019
(14) Fardet, A: Food & function. 7(5): 2338-2346. 2016
(15) Lai JS, Attia J, et al. : Am J Clin Nutr. 99(1): 181-97. 2014
(16) Binks, H., Smith, et al. : Nutrients. 12(4): 936. 2020
(17) Benton, D.: Effects of Energy and Macronutrient Intake on Cognitive Function Through the Lifespan
(https://www.researchgate.net/publication/274573842_Effects_of_Energy_and_Macronutrient_Intake_on_Cognitive_Function_Through_the_Lifespan) (参照 2025-09-25)
(18) McGrattan, A. M., McEvoy, C. T., et al. : Current nutrition reports. 8(2): 53–65. 2019
(19) Myers, C. A., Martin, C. K., & Apolzan, J. W. : Current obesity reports. 7(4): 273–279. 2018
(20) Fernstrom JD, Wurtman RJ: Science. 173(3992): 149-52. 1971
(21) 厚生労働省 e-ヘルスネット: セロトニン
(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-074) (参照 2025-09-25)
(22) 農林水産省: 発酵の歴史の始まりの菌
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/files/user/pdf/japanese_hakko_part2.pdf) (参照 2025-09-25)
(23) 環境省: 「健康のため水を飲もう」推進運動
(https://www.env.go.jp/water/water_supply/nomou/index.html
(24) Deshmukh-Taskar, Nicklas, T. A., et al. : Journal of the American Dietetic Association. 110(6): 869–878. 2010