しわ、たるみは生活習慣が大きな要因です。原因はさまざまですが、①紫外線 ②乾燥 ③加齢が3大原因と言われています。しわやたるみの発生のメカニズムや対策方法を解説していきます。

しわ・たるみの3大原因

しわ・たるみの原因①:乾燥

乾燥により、肌表面の水分が失われることにより「ちりめんじわ」が現れます。これは、しわの比較的初期の状態です。

しわ・たるみの原因②:紫外線

紫外線によって引き起こされる皮膚の老化を「光老化」と呼びます。「光老化」では皮膚(真皮)にある肌のハリを保つ繊維が破壊されることにより弾力性が欠け、皮膚が厚くゴワゴワになり深くて直線的なしわが現れるのが特徴です。

しわ・たるみの原因③:加齢

私たちの顔は骨・筋肉・皮下脂肪(皮下組織)・真皮(皮膚)・表皮(皮膚)の5つの層から成り立っています。加齢とともにそれぞれの層に変化が起き、しわやたるみを作っているのです。

1. 加齢によって顔に起こる変化~骨~

加齢とともに顔の骨も縮むってご存じでしたか?

体の骨と同様に、顔の骨も加齢とともに骨密度が減少し、小さくなります。

こめかみ、眼窩(がんか:眼球が入っているくぼみ)のまわりは広がり・頬・あごのまわりの骨はへこみ、痩せこけます。顔の骨は「顔の土台」として筋肉や皮下脂肪(皮下組織)、真皮(皮膚)、表皮(皮膚)を支えています。骨に変化が起きると皮下脂肪(皮下組織)、真皮(皮膚)、表皮(皮膚)が十分に支えられずに垂れ下がり、たるみやしわを引き起こします。

2. 加齢によって顔に起こる変化~皮下脂肪(皮下組織)~

加齢とともに皮下脂肪の減少や移動によって、たるみが引き起こされます。

額やこめかみのへこみ、頬のこけは皮下脂肪が元々あった場所から下に移動(下垂)し、通常よりも量が減ることにより引き起こされます。頬の皮下脂肪が元々あった場所から下に移動(下垂)し、口のまわりの皮下脂肪の量が減ることにより、しわの溝が深くなります。

フェイスラインのたるみは皮下脂肪が元々あった場所から下に移動(下垂)することにより引き起こされます。

3. 加齢によって顔に起こる変化~皮膚~

加齢や紫外線を長年浴び続けることによって、真皮に存在するコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が失われることによって、肌のハリや弾力が低下し、シワやたるみが生じます。

しわの種類別、原因と必要な対策

しわには、小じわ、大じわ(構造じわ)、表情じわ、たるみじわなどがあります。

実は、しわの種類によって原因や対策は異なります。それぞれのしわの特徴と必要な対策についてご説明します。

小じわの原因と対策

小じわは肌表面の乾燥によって表皮に現れます。

小じわは、化粧品などで肌を保湿することにより目立たなくなる可能性があります。「乾燥による小じわを目立たなくする」と記載のある化粧品は、ある一定の基準を満たし、効果が認められている商品です。また、美容医療の治療では、小じわ改善の方法のひとつとしてトレチノイン治療やケミカルピーリングが検討できるでしょう。

大じわの原因と対策

加齢や紫外線ダメージによって、真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどの弾力線維が皮膚の重力を支えきれなくなることで、大じわやたるみが現れます。

大じわは化粧品では改善することが難しいしわです。美容医療の治療では、コラーゲンの再生を促す、ヒアルロン酸注入やレーザー照射、高密度焦点式超音波(HIFU)などの治療オプションが検討できるでしょう。

表情じわの原因と対策

表情筋という筋肉の収縮によって、眉間、目尻、口の横、額などにできるしわのことです。表情じわは、本来一時的なものですが、繰り返し筋肉を動かし続け、加齢とともに皮膚の弾力も低下することによって、慢性化することで「刻みじわ」となります。

代表的な表情じわ

  • おでこの横じわ
  • 眉間の縦じわ
  • 目尻のしわ(笑いじわ)
  • あごのしわ(梅干しじわ)

表情じわも、残念ながら、化粧品では改善することが難しいしわです。美容医療の治療では、ボツリヌス注射による治療がまず検討されます。ただし、深く刻みこまれたしわの場合には、ボツリヌス注射のみでの改善が難しい場合もあり、その場合にはヒアルロン酸注入など他の治療との併用が必要になることがあります。

たるみじわの原因と対策

実は、多くの方が悩まれるほうれい線は、深いしわではなく、土台となる骨が減り、重力に よって皮下脂肪が垂れ下がった頬のたるみによってできる、たるみじわのひとつです。

代表的なたるみじわ

  • ゴルゴライン
  • ほうれい線
  • マリオネットライン

たるみじわには、ヒアルロン酸注入や糸リフト、HIFUやラジオ波を用いた治療、手術によるフェイスリフトなどの美容医療が選択肢のひとつとしてあげられます。

監修

医療法⼈社団 喜美会 ⾃由が丘クリニック 理事⻑ 古⼭ 登隆 先⽣

医療法⼈社団 喜美会 ⾃由が丘クリニック 理事⻑ 古山 登隆 先⽣

医学博士。北里大学医学部卒業。同大学チーフレジデント、外科研究員、形成外科講師を経て、1995年自由が丘クリニックを開設。国立大学法人千葉大学 医学部形成外科 非常勤講師などを務める。日本形成外科学会認定形成外科専門医。ヒアルロン酸やボツリヌストキシン製剤の注入、糸リフト、レーザーなどを組み合わせた、メスを使わずにより美しくなるためのケアを主に行う。

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