「スキンケアの順番がわからない」「パックのタイミングはいつがいい?」
スキンケアアイテムは化粧水や乳液、フェイスパックなど種類が多く、どの順番で使うのがいいか迷う人も多いでしょう。
スキンケアの順番を間違ってしまうと思うような効果が得られず、もったいない思いをする可能性もあります。
本記事では、マグノリア皮膚科クリニックの池上 彩子 先生に、朝夜のスキンケアの順番について伺いました。
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「スキンケアの順番がわからない」「パックのタイミングはいつがいい?」
スキンケアアイテムは化粧水や乳液、フェイスパックなど種類が多く、どの順番で使うのがいいか迷う人も多いでしょう。
スキンケアの順番を間違ってしまうと思うような効果が得られず、もったいない思いをする可能性もあります。
本記事では、マグノリア皮膚科クリニックの池上 彩子 先生に、朝夜のスキンケアの順番について伺いました。
スキンケアの順番のポイント
監修・取材協力:池上 彩子 先生(美容皮膚科 マグノリア皮膚科クリニック 院長)
目次
そもそもスキンケアは「肌の健康管理」といわれていて、目的は大きく2つあります。
1つは、紫外線やほこりなど、肌にとって刺激となるさまざまなものを取り除き、皮膚を保護すること。もう1つは、十分な栄養を供給して、肌の健康を支えることです。
さらに、朝と夜のスキンケアでは、上記の目的が分かれます。
朝 |
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夜 |
|
そのため、使うスキンケアアイテムや順番が違うこともあります。
朝のスキンケアの基本的な順番と、それぞれの手順のポイントをご紹介します。
朝のスキンケアの基本的な順番
ブースターや美容液、クリームは、必要に応じて行う任意のケアです。
時間に余裕のあるときや、スキンケアに力を入れたいというときに、お好みで取り入れてみてください。
朝のスキンケアは、基本的に洗顔から始めるのがいいでしょう。
朝の洗顔は、夜の間に付着した顔の汚れや、余分な皮脂を落とし、後で使う化粧水や美容液が肌に浸透しやすくなるなどの役割があります。
ポイントとしては脂性肌の人の場合、Tゾーンやあごなどの皮脂が気になる部分にだけクレンジングを使い、皮脂を落とすのも一つの手です。
また乾燥肌の人は、洗顔料を使って洗うと必要な皮脂まで洗い流されてしまう可能性があるので、水で顔をすすぐくらいでいいでしょう。
朝の洗顔が終わったら、お好みでブースターを使いましょう。
ブースターは、導入美容液や導入化粧水とも呼ばれ、洗顔後に使うことで化粧水を浸透しやすくしてくれるアイテムです。
必ず行う手順ではなく、必要だと思う人だけ取り入れればOKです。
朝の洗顔が終わったら、できるだけ早く化粧水をつけましょう。
洗顔によって一時的に皮脂膜を失った肌からは、水分がどんどん失われていきます。したがって洗顔後はタオルで水気を吸い取ったら、手早く化粧水をつけて水分を補うことが大切です。
つける方法はコットンでも手でも構いませんが、叩いたり、こすったりはせず、包み込むようにして肌になじませましょう。
化粧水の後は、お好みで美容液を使います。
美容液を使うと、化粧水や乳液だけでは得られにくい、プラスアルファのうるおいを得ることができます。
メーカーの設定に応じた適量を、肌にやさしくのせてなじませ、さらに手のひらで押さえると浸透しやすいといわれています。
化粧水や美容液で肌をうるおしたら、乳液やクリームなどの油分を多く含むスキンケアアイテムを使います。
乾燥が気になる部分を中心に薄く塗り、「フタ」をすることで、油分が肌の水分の蒸散を抑えて、バリア機能を高めてくれます。
皮脂が多い部分には乳液を塗らなくてもOKです。分泌された皮脂が天然のクリームとなって水分の蒸散を防いでくれます。
クリームはかなり油分が多く、塗るとメイクが崩れやすくなることがあるため、乾燥傾向が強い人以外、朝は乳液を使ったほうがよいでしょう。
朝のスキンケアの最後には、日焼け止めを塗るようにしましょう。
紫外線を浴び過ぎると肌がダメージを受け、将来的にシミやしわ、たるみなどの肌悩みにつながる可能性があります。
紫外線をしっかりガードするなら、日焼け止めを塗った後にUV効果のあるメイク下地を使うといったように、別々のアイテムを使ったほうがいいでしょう。
ただし、日焼け止めとメイク下地のどちらかで済ませたいという人は、軽い使用感の日焼け止めをメイク下地の代わりに用いるのがおすすめです。
朝のスキンケアをしっかり行いたいけれど、時間がないときには、肌質に合わせて以下のステップを試してみましょう。
脂性肌の人の場合
脂性肌以外の人の場合
朝起きたときに顔のテカリが気になる方や、ニキビなどの肌悩みを抱える方は、脂性肌の可能性があるため、洗顔で過剰に分泌された皮脂膜を洗い流すようにしましょう。
スキンケアの時間をかけずに、美肌を目指したい方は、美容医療の先生に相談すると効率的なケアがわかるかもしれません。
また前述で触れたように、脂性肌や乾燥肌など肌質によって、適したスキンケアは異なります。
自分の肌質を見極め、肌質にあったスキンケアを知るためにも、美容医療の先生に相談するのは一つの手です。
夜のスキンケアの基本的な順番と、それぞれの手順のポイントをご紹介します。
夜のスキンケアの基本的な順番
なお、ブースターや美容液は、必要に応じて行う任意のケアです。
時間に余裕のあるときや、スキンケアに力を入れたいというときに取り入れてみてください。
夜のスキンケアは、まずクレンジングでしっかりとメイクや皮脂汚れを落とすことから始めましょう。
メイクをしている方はもちろんですが、メイクをしていなくても顔のテカリが気になるという方も、クレンジングは有効です。
クレンジング後には洗顔を行い、クレンジングの成分が肌に残らないようにしておきましょう。
ダブル洗顔不要のクレンジングをしたら洗顔はいらないの?
「ダブル洗顔(クレンジング後の洗顔)不要」をうたっているクレンジングの場合、クレンジング後の洗顔はカットしても問題ないでしょう。
ただし、決してダブル洗顔がNGというわけではありません。ダブル洗顔不要のクレンジングであっても「さっぱりしたいな」と思ったら、クレンジング後に洗顔をしてもOKです。
しっかりと泡立てた洗顔料を使い、ぬるま湯で洗い流しましょう。
クレンジングと洗顔が終わったら、お好みでブースターを使ってもいいでしょう。
ブースターを使うことで、次に使う化粧品がなじみやすくなります。
もちろん、ブースターをお持ちでない方や、手軽にスキンケアをしたいという方は、ブースターの工程をスキップしてもOKです。
メイクや一日の肌の汚れを落とした後には、化粧水で水分を補いましょう。
特に乾燥が気になる場所には、化粧水の肌へのなじみ具合を確認しながら、数回に分けて使用すると、より効果的です。
化粧水で水分を補った後は、肌へ栄養を与えるためにお好みで美容液を取り入れてもいいでしょう。
場合によっては、肌悩みに応じた有効成分が含まれている美容液を複数使っても構いません。
なお、美容液を2種類以上使う場合は、油分の少ないテクスチャーのものを先に使い、油分のあるものを後に使うと肌になじみやすくなります。
化粧水や美容液などで肌の水分を補ったら、最後は乳液やクリームでフタをして肌を守りましょう。
夜はしっかりと保湿をするためにも、乳液だけでなく、こってりしたテクスチャーであるクリームを取り入れてOKです。
夜のスキンケアをしっかり行いたいけれど時間がないというときは、以下の手順を試してみましょう。
疲れた夜でも最低限やっておきたいスキンケア
仕事で疲れた夜も、酔っ払って帰宅したときも、最低限これだけは頑張って行い、美しい肌をキープしましょう。
なお、スキンケアを短縮させたいなら美容医療を取り入れることも検討しましょう。
クリニックではさまざまな施術があり、スキンケアでは難しい肌の奥深くにアプローチできるので、肌悩み解消が可能となります。
肌悩みが減り、月または年に数回の治療で済むと、結果的にスキンケアを時短することができるのです。
スキンケアの順番でよくある疑問について、池上先生に教えていただきました。
スキンケアの順番の中でも悩ましいのが、フェイスパックや美容オイルを使うタイミングです。
フェイスパックと美容オイルは、どちらも化粧水の後に使うのが一般的とされています。
なお、製品によっては、使用するタイミングが異なるものもあるため、製品パッケージの説明書に沿って使うようにしましょう。
フェイスパックの役割
フェイスパックは、化粧水や美容液などを染み込ませたコットン、シートマスクで、肌に特別なうるおいを与えるアイテムです。肌がつっぱるような感じがしたり、ザラザラしたような手触りがあったりしたとき、いつものスキンケアに加えてみるとよいでしょう。
美容オイルの役割
美容オイルは、肌の乾燥がとても強く皮脂の分泌量が少ない人が使うと、足りない油分を補ってくれる役割があります。皮脂分泌がしっかりしている人が使うと油分過多になり、肌トラブルになることがあるので要注意です。
男性のスキンケアの順番は、女性と同じで、洗顔・化粧水・乳液・朝であれば日焼け止めを使用するのが基本です。
ちなみに男性の場合、洗顔の後などに「ひげそり」が加わることがあります。ひげそり後は肌が乾燥しやすい状態になっているので、できるだけ刺激の少ない化粧水でやさしく保湿するのがおすすめです。
スキンケアとはそれてしまいますが、ひげそり後の肌荒れが気になる場合には、ひげの脱毛を検討してみるのも手です。
また、一般的に男性のほうが女性よりも皮脂分泌量が多いため、ニキビや肌のべたつきがあるときには、オイルクレンジングで皮脂を落としたり、油分の多いクリームは控えたりなどの工夫をするといいでしょう。
スキンケアの手順として、巷では「韓国式スキンケア」と呼ばれる、10個ほどの細やかな手順で肌をケアする方法が話題になっています。
韓国式スキンケアの手順
韓国式スキンケアを行う際の注意点は、大きく2つ挙げられます。
1つは、ウォータークレンジングによるふき取りをするときに、肌をこすり過ぎないことです。力を入れてこすってしまうと、摩擦で肌がダメージを受ける場合があります。やさしくふき取るようにしましょう。
もう1つの注意点は、韓国と日本で化粧品の基準が違うことです。日本では使われていない成分が配合されていて、肌の刺激につながる可能性もあります。肌の違和感や、「合わないかも」と思ったら、無理せず使用を中止しましょう。
スキンケアの順番を、肌悩みや肌質によって大きく変える必要は基本的にはないでしょう。
ただ女性の場合、生理周期によって、同じ人でも肌の状態が変化することがあるため、「皮脂の分泌が多くなる生理前にはクリームではなく乳液を使う」といったように、その時々の状態に合わせてスキンケアのポイントを変えるのは有効です。
生理周期以外でも、肌の状態をチェックして、必要なスキンケアを足したり引いたりするのは大切です。ぜひご自身の肌状態をよく観察してみてください。
スキンケアの順番を見直すことで、肌悩みを改善し、健康的な肌に近づくことができます。
なお、普段行っているスキンケアは、いわば「守りのケア」。肌悩みが改善されない場合や、もっと美しい肌に近づきたいという方は、セルフケアでは手が届かない肌の奥深くを治療できる「攻めのケア」である美容医療に詳しい医師に相談してみるのも一つの方法です。
専門家の知恵も借りて、自分にとって適切なスキンケアを行えるようになるのが理想的です。
参考文献
・ファルマシア(1986)Vol.22, No.6, p604-607
・日本香粧品学会誌(2018)Vol.42, No.2, p116
・最新版 肌美人になるスキンケアの基本 悩み解消パーフェクトBOOK(学研パブリッシング)
・正しい知識がわかる 美肌事典(高橋書店)
岡山大学医学部、同大学院卒業。医学博士。岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、広島市立広島市民病院などを経て、2005年に都内の皮膚科クリニック院長に就任。2006年にマグノリア皮膚科クリニックを開設し、院長に就任。注入治療(ヒアルロン酸注射、ボトックス)を得意とし、わかりやすい説明と、きめ細やかな対応、そしてナチュラルな仕上がりを大切に日々、診療にあたっている。
マグノリア皮膚科クリニック
住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-8-7 第27SYビル5A