美しい肌を保つには、自分の肌を日々しっかり観察し、肌質に合ったケアや治療を行うことが重要です。しかし、皮膚科医の堀内 祐紀 先生によると、肌質に対し、誤った認識をもっている人が多いといいます。
この記事では、肌質で誤解されがちなポイントやセルフチェックする方法、さらに肌タイプ別の適切なスキンケアや治療法をご紹介します。
監修・取材協力:堀内 祐紀 先生(秋葉原スキンクリニック 院長)
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美しい肌を保つには、自分の肌を日々しっかり観察し、肌質に合ったケアや治療を行うことが重要です。しかし、皮膚科医の堀内 祐紀 先生によると、肌質に対し、誤った認識をもっている人が多いといいます。
この記事では、肌質で誤解されがちなポイントやセルフチェックする方法、さらに肌タイプ別の適切なスキンケアや治療法をご紹介します。
監修・取材協力:堀内 祐紀 先生(秋葉原スキンクリニック 院長)
目次
肌質改善は、自身の肌状態を正しく把握し、その肌質に合うスキンケアや治療で、美肌に整えることを指します。
そもそも、美肌とはどんな状態の肌なのでしょうか。
イメージしやすいのは「小さな子どもの肌」が理想的な状態です。具体的には以下のような条件が挙げられます。
・キメが細かく、整っている
・毛穴が目立たない
・手に吸いつくような肌(角層の水分量や皮脂量が十分)
・肌トラブルがない
美肌に保つには、皮膚の「ターンオーバー」と「バリア機能」を知ることから始めましょう。
まずターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれ、古い皮膚がはがれ落ちるサイクル(代謝)のことを指します。
続いてバリア機能は、肌の中でも最も外側「角層(角質層)」で、肌のうるおい保持や、外部の刺激や異物の侵入、空気の乾燥から肌を守る役割を担っています。
ターンオーバーが乱れてしまうと、バリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。
肌質改善には、ターンオーバーを整え、バリア機能を正常に保つことが鍵となります。
肌質には大きく分けて5つのタイプがありますが、年齢や外の環境、体調など日によって変化します。肌タイプチェックはその日のお手入れや使用する化粧品を適切に使い分けるための目安と考えると良いでしょう。
チェックの方法はとてもシンプルで、毎朝、鏡の前で顔を見る、そして触れること。ぜひ試してみてください。
各肌タイプの特徴や起きやすい肌トラブルについて詳しく解説します。
角層の水分量・皮脂量が不足している状態が乾燥肌です。ドライスキン、乾皮症、乾性肌ともいいます。肌のキメは細かく、毛穴は目立ちにくいものの、カサカサしていて粉が吹いたように見えることもあります。
また肌のカサつきだけでなく、肌の乾燥によってバリア機能が低下し、かゆみを起こしやすいとされています。アトピー性皮膚炎のかゆみも乾燥肌に由来するケースがあります。
一方で脂浮きや吹き出物が少なく、化粧崩れが遅い傾向です。
脂性肌は、角層の水分量・皮脂量どちらも多く、肌が荒れやすい状態を指します。特におでこや鼻筋はベタつきやすいのが特徴です。毛穴は目立ちやすく、キメは粗く見えるとされています。
起こりやすい肌トラブルは肌の赤みやニキビ、吹出物が挙げられます。
皮脂量が多い一方、角層の水分量が不足している状態を混合肌、乾燥型脂性肌といいます。この肌タイプは角栓ができやすく、肌のザラつきを感じます。また肌表面に皮脂が広がらないため、肌が乾燥していることも特徴です。
肌の乾燥による化粧崩れに悩む人が多いとされています。
普通肌は、皮脂量が多すぎることなく適度で、水分量が多い肌質です。キメが整っており、毛穴は目立ちにくい状態です。適度なツヤやハリがあり、ニキビなどの肌トラブルは起こりにくい理想的な状態といえます。しかし、季節や体調によってカサつきや、ベタつきを感じる、変化しやすい肌質でもあります。
敏感肌とは、通常は刺激にならないような物質に対してもチクチク、ピリピリなどの不快な症状を感じやすい肌質を指します。しかし、人によって感じる不快感はさまざまであるため、敏感肌に明確な定義はありません。
これまで挙げてきた肌タイプは、角層の水分量と皮脂量のバランスで分類していますが、敏感肌に関しては、肌のバリア機能を考慮した分類指標です。どの肌タイプでも敏感肌になる可能性があります。
接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れていることもあるので、不快な症状が続く場合、早めに皮膚科を受診しましょう。
その日の肌質を確認したら、肌状態に合わせたスキンケアをしましょう。肌質によって適したケアは異なります。ここでは、堀内先生に肌タイプ別にお手入れのポイントと注意点を伺いました。
乾燥肌は、肌のバランスを整えるために、保湿効果の高い化粧品でしっかり水分・油分を補います。ただし、油分の与えすぎには注意してください。お手入れした10分後に乾燥を感じる場合、化粧水などを重ねつけしてみましょう。しっとりした感触の化粧水をスプレーボトルに入れ、ミストでうるおい補給する方法もおすすめです。
また、洗顔料は洗浄力の強いものは避け、マイルドな洗い上がりの洗顔料を選ぶのがよいでしょう。
脂性肌は、皮脂汚れがたまらないようにすることが大切です。バッチリメイクをした日はダブル洗顔でメイクや汚れをしっかり落としましょう。ただし、肌をこするように洗うのは避けてください。摩擦が起こり、肌トラブルを招く要因となります。
クレンジング・洗顔後は、油分の少ない化粧品でしっかり保湿しましょう。
スキンケアのポイントは、過剰な皮脂を取り除くと同時に、丁寧に保湿が大切です。
乾燥しやすい部位の洗いすぎに注意し、脂っぽさを感じる部位はしっかり洗いましょう。時間をかけず手早くを行うことを心がけてください。
肌は季節や体調で変化しやすいため、都度状態を見極めることが大切です。
肌が必要とする保湿ケアを状態に合わせて丁寧に行いましょう。
敏感肌は皮膚の病気によって生じている場合があるので、まずは治療を優先してください。その上で乾燥を防ぎ、炎症を生じさせないことが大切です。
敏感肌へのスキンケアはアレルギーテストなどが行われている低刺激性の化粧品を選びましょう。必ずサンプルを使用し、肌に合うことを確認してください。
またクレンジング・洗顔にも気を配りましょう。洗顔時間は短くかつすすぎ残しをしないことがポイントです。
健康的な肌を維持するには、日々の生活習慣も見直す必要があります。間違った行動で知らないうちに肌に負担をかけていないか、チェックしてみましょう。
眠りは肌とも密接な関わりをもっています。睡眠時に分泌される成長ホルモンによって、体のさまざまな組織が修復されますが、表皮のターンオーバーにも関わりがあります。睡眠不足や眠りの質が下がると、ターンオーバーの乱れ、バリア機能低下などを招いてしまうので、注意しましょう。
肌に良いといわれる栄養素はたくさんありますが、それだけを摂ればよい訳ではありません。なるべく多くの品目をバランスよく摂取するように心がけしましょう。
また、下痢や便秘、胃もたれなどの症状がある人は注意が必要です。せっかく摂った栄養素が効率よく吸収されない場合があります。
このような症状が続いている人は、一度、医師に相談しましょう。
美肌の大敵、紫外線。「光老化」により、シミそばかすだけでなく、しわやたるみも引き起こします。
基本の対策は、毎日日焼け止めを塗ることです。
しかし、日焼け止めだけで紫外線を100%防ぐことはできないので、日傘や帽子・サングラスを利用する、直射日光を避けた生活を心がけるなどの工夫もしましょう。
毎日のスキンケアで肌質改善が難しいと感じたら、美容医療の力を借りることもおすすめです。スキンケアで対処できるのは、肌表面までですが、美容医療の治療を用いることで、さらに肌の奥までケアが可能です。治療法も多数あるため、肌の状態や希望に応じて提案・アドバイスをしてもらえるでしょう。
ここでは、肌質改善で利用される施術の一部をご紹介します。
※国内未承認治療を含みます
極細の針で肌にごく小さな穴を無数に開け、その刺激で肌の再生を促す治療方法です。コラーゲン、エラスチンなどが活性化、増加することで、小じわ改善や引き締まり、毛穴縮小効果、皮膚の質感改善などが期待できます。
IPLという光を顔全体に照射する治療です。さまざまな波長の光を照射することで、シミや色素沈着、赤みなど様々な肌トラブルに効果が期待できます。
肌の表面に残っている古い角質を酸の力で取り除き、乱れたターンオーバーを正常な周期に戻すことを目的とした治療法です。シミやニキビ、毛穴の開きなどの改善が期待できます。
古い角質を取り除くことで、普段のスキンケアが皮膚に浸透しやすくなります。
医療脱毛用のレーザーを顔全体に照射する治療法です。熱の力でメラニン色素を破壊し、細胞を活性化させることで、くすみやシミ、毛穴の開きなど複合的な肌悩みにアプローチが可能です。
以前からほうれい線などの深いしわや、たるみ改善に選択されることが多いヒアルロン酸注入治療。実は肌質改善にも役立ちます。
顔や首の皮膚にまんべんなく点状に少量ずつヒアルロン酸を注入することで、肌の保水性を長期間持続させます。
肌のハリや弾力を高めるだけでなく、小じわ改善も期待でき、なめらかな肌質を目指せることが魅力です。
ここでは、各肌質の特徴や効果的なスキンケアの方法を中心にご紹介しました。
日々肌を観察し、お手入れしていても、肌トラブルが改善しない場合は、早めに医師に相談しましょう。
また、少しでも早く肌トラブルを改善したい、高い効果を期待する場合は医療機関で行っている肌質改善治療がおすすめです。
この機会にあなたの美容の「かかりつけ医」を見つけてみてはいかがでしょうか。
参考文献
東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学皮膚科学教室入局後、都内皮膚科・美容クリニック勤務を経て、2007年秋葉原スキンクリニック開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本脱毛医学会理事。日本皮膚科学会・日本美容皮膚科学会・日本レーザー医学会・日本抗加齢医学会・日本香粧品学会 所属。Allergan Medical Institute Japan Faculty。一般社団法美容皮膚エキスパート協会代表理事、Aesthetic Medical Academy理事。保険治療だけでなく美容治療を各種取り揃え、さらに肌を良くしたい!という気持ちを叶えるために、エビデンスのしっかりとした治療を、自信を持って届ける。
秋葉原スキンクリニック
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田4丁目6−7 カンダエイトビル 2階/3階